知ってますか?
アメリカの、対ヒアリ年間の対策費用は70億ドル以上。
治療費は50億ドル以上。
年間1兆円以上の損失。
そんなぶっ飛んだ金額なんです。
それもそのはず、ヒアリはそのスペックも凶悪で。
アルカロイド系の毒と強靭な針。
一噛みで人間の全身に発心ができる程の毒性(個人差あり)。
軽度でも眩暈・吐き気。
1つのコロニーで1日1000体以上増える繁殖力。
2回目以降に噛まれ、アナフィラキシーショックが起こり、重篤な時は死に至る事もある。
などなど…。
まさに、殺人アリの名にふさわしいアリなのです。
ヒアリって年単位で話題に上がってる気がするけど、駆除は進んでないの?
生態を見る限りだと、駆除不能
なのではないかな…ニュージーランドのみ駆除に成功してるよ。
えっ…他はダメなの?
ナニソレ、怖すぎる…。
ヒアリによる人類総攻撃は、もう始まっているようです…。
ヒアリの毒性 噛まれたらどう対処すべき? 被害が広がる前に
ヒアリとは? 基本情報
原産は南アメリカ地域です。
貨物移動などの、コンテナに混じって世界各地に広まりました。
北アメリカ大陸、オーストラリア、中国。
現在かなり広い地域に生息しています。
ちなみにニュージーランドも侵入されましたが、定着初期に徹底駆除を行い、唯一駆除に成功した事例となっています。参考リンク
活動時の外気温は22~36度と高温にやや強いです。
環境省のWEBページでも注意喚起が成されています。
ヒアリは小さく、女王アリでも7mm前後と1cm未満。
その代わり凶暴で、超々集団で行動します。
生態と脅威の繁殖能力について
ヒアリはアリ塚と呼ばれる、コロニーを建築するタイプです。
ハンター×ハンターのキメラアントみたいに巣を作っている。
と言えばわかりやすいでしょうか。
ただし、コロニーは地下にも伸びており、表面のアリ塚を壊しただけでは大きな損傷は与えられません。
コロニー内には女王アリが何匹か居て、女王単体で1日200個、年間では25万個の卵を産むとされています。
コロニー内の複数の女王が同時に産卵を行う為、その数は1日1000~1500と言われるほどです。
しかも女王個体の寿命は年単位、7~8年。
ヒアリの天敵はノミバエという南米のハエですが、これは北アメリカや日本に生息しておらず、対策としては検討できません。
他にも天敵は居ますが、いずれも局所的。
実質の駆除がとても難しい上に、爆発的な繁殖力。
凶暴性も備え、カエルなどの大きさの両生類にも集団で襲い掛かり、食い散らかしてしまうほど。
さらには、有益なミツバチや蝶などの昆虫も殺してしまい、生態系を著しく乱します。
また、水にも強く、生き残る為に所謂イカダを形成して長距離を横断するケースもあり、最早彼らが望めばどこにでも行ける様な状態。
イカダの参考リンク。かなりエグイです。
だからこれだけ騒がれているのです。
まさにキメラアント級…。
ヒアリはその危険性から特定外来生物の指定もあります。
ヒアリの毒性
毒液はアルカロイドのみと考えられていたが、約46種類のタンパク質が検出された。これらのタンパク質は毒液の重量の0.1%に過ぎないが、アナフィラキシーショックの反応に関与している疑いありと考えられている。
引用元:wikipedia
毒の浸透と疾患の程度は三段階で考えられて、簡易的に記載します。
参考元:環境省
軽度
激しい痛みと痒み。火鉢を押し付けられた様な熱さを感じる。
10時間程度で膿になる。
中度
刺された直後から赤みや腫れが起こり、かゆくなります。
酷いと全身にみみずばれのような症状を引き起こし、患部以外の前身の見た目に現れる様になります。
重度
呼吸困難・血液低下・意識障害
刺されて20~30分以内に、上記の上昇が起こります。
「アナフィラキシーショック」による血圧の急激な低下などは、意識障害を引き起こし、すぐに医師による処置が必要です。
ヒアリに噛まれたら
ヒアリに噛まれたことに気が付いた場合は、体調に変化が無くても20~30分程度様子を見ましょう。
時間が経ってから症状が現れる事があります。
患部を冷やしながら冷静に、いつでもお医者さんの居る所へ行ける準備をしてください。
また、アナフィラキシーショックによる毒性は、ハチと共通している部分があり、ヒアリに初めて刺された場合でも、ハチに刺された過去がある場合は注意が必要です。
アメリカの総被害額が年間1兆円を越す
こんな凶悪なヒアリ達ですが、冒頭説明した通りアメリカでは年間でものすごい金額が動いています。
対策費年間70億ドル おおよそ7800億円。
医療費年間50億ドル おおよそ5600億円。
この損失だけでも年間1兆3400億円。
さらに患者の時間的損失を考えると…。
アメリカでは1930年代から観測されはじめ、そろそろおおよそ90年間。
その頃から危険性を認められ、駆除対象として扱われています。
被害は拡大する一方。
人間以外で最も進化・繁栄している種族がアリだとする説もありますが、この尋常じゃない騒動を考えると、あながち間違っているとも言い切れませんね。
余談ですがアメリカの2018年の国防予算は約73兆円です。
そういったジャンルと比べてしまうと感覚がおかしくなりますが、むしろ昆虫1種(正確には1種類ではないですが)でこれだけ警戒されているという事が恐ろしい事なんです。
見つけても近づかない様に
見つけた場合は速やかに、保健所市役所へ連絡を取り、対応を打診しましょう。
個人で近づいてはいけません。
ヒアリは頭もよく、生物の幼体や弱点を攻める習性があります。
まちがっても個人でアリ塚を潰そうとしたりしないようにしましょう。
女王を掃討しなければ、そのコロニーの根絶も困難ですから。
おっそろしいから、アリ塚を万が一発見したら
触らずに連絡してね。
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