現代でも肝に銘じておきたい、孔子の故事に習った有名なことわざを紹介いたします。
ことわことわざと言うのは、やはり長期間定着し残っていることを踏まえると、そのもの自体に人類史で培った効率性のある縮図的な要素が見て取れます。
ここで言われる盗泉とはいわば悪いイメージ。
悪名というのはすさまじく強いです。
ブランドイメージに、悪い雰囲気が先行してしまったりくっついてしまうと一朝一夕ではぬぐえない、いつか損をするという事を話していきたいと思います。
渇すれども盗泉の水を飲まずの意味
【渇しても盗泉の水を飲まず】と表記することもあります。
これは中国の故事に由来することわざです。
ある時孔子が 中国山東省を旅していた時の話。
旅の途中ある泉の横を通りかかった。
その時孔子は疲労で酷く喉が渇いていたが、決してこの泉の水を飲もうとしなかった。
この泉が【盗泉】と名付けられていたから、その名前のイメージを嫌ったためである。
というもの。
このことわざの意味は…
【どんなに苦しい事があっても、決して不正には手を出さないこと】
を例えています。
孔子のエピソードは【盗泉】という名前のイメージを嫌っての物でしたが、このことわざの意味は転じて不正に手を出さないことになっています。
それは、不正に手を出すと結局不幸になるという事の暗示。
皆気付いている事の筈です。
宣伝におけるイメージの重要性
企業の宣伝活動において、いわゆる広告塔と呼ばれる人が居ますね。
例えばLINE MOBILEでは本田翼さん。
Soft Bankでは北大路欣也さん。…違う、犬。
auでは三太郎の3人から派生した数々の出演者などなど。
この様に、起業や所品毎にイメージされる有名人がそれぞれあると思います。
ここまで結びついていると戦略イメージとしては非常に強く、双方にプラスの結果をもたらします。
しかし反対に出演芸能人が、逮捕されたりスキャンダルをすっぱ抜かれたりすると、こぞってCMの差し替えや、TVの出演シーンのカットが行われますよね。
これは広告を出している各社がブランドイメージの保全の為に行います。
イメージが悪くなったタレントと会社は関係を切った、ちゃんとやっている。
もしくはそれが伝わらなくても、あのタレント=あの会社のイメージが定着しない様に行われるものです。
場合によっては、CMの違約金を本人や事務所に請求している報道がありますよね。
そして違約金と同時に報じられるのが経済損失。
CMの差し替え、路面広告の差し替え、イメージダウンなどなど、いろいろな指標を組み合わせて算出されます。
実際に大きな金額になると「本当にこれほどの額の損失になるのか?」という疑問も出てきますが…。
それだけの売り上げを見込んで起用しているとのは事実です。企業側の希望的な側面は勿論あります。
そして実際に、企業の【イメージ】というのは、それだけ企業側の売り上げを左右しているという事。
また上記の様な突発的なトラブルとまではいかなくても、ネームバリューのみに囚われて、イメージの良くない広告塔を起用してしまうと、本来の見込み顧客すら入ってこなくなる可能性があります。
炎上マーケティング的な手法は、一時的な知名度アップには貢献します。
しかし、長期で考えるとそもそもの屋台骨を脆くしてしまっているのです。
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カザフスタンの国名の検討
スタンは元々国という意味ですが、近年【物騒な国】のイメージが強くなってきたことを危惧しているという話。
2014年にナザルバエフ大統領がカザフスタン→カザフエリに国名の変更を検討していると発表しました(のちに外相が否定)。
結局変更は実現されませんでしたが、こんな話が持ち上がるくらい『紛争地帯』イメージが単語に沁みついてしまいそれを憂慮する事態が生まれたというエピソードになりました。
ちなみにカザフエリは『カザフ民族の土地』という意味になるそう。
この例は極端だけど、大きい動きだとここまで人々を動かす可能性があるって事ね。
ネット集客の闇
ネット界隈では、過去の信用を切り売りする手法による一時的な集金や、炎上しやすいインフルエンサーによる宣伝が流行っています。
しかし、そうした手法は本当に正攻法となっているのでしょうか?
もちろん一時的な集金・集客方法でしかない為、いつかは廃れます。
というか、一年持たないかもしれません。
これを続ける事によって得られる利益と、失う信頼性は釣り合っているのか居ないのか。
起業的なマーケティングを見れば、明らかに「NO」と言えるでしょう。
ネット上では「最新の手法」とか「画期的な手法」など、言い方を変えて賛辞を送らせているかもしれませんが、それらは起業があえて「やらなかった手法」なのです。
【渇すれども盗泉の水を飲まず】の意味をもう一度よく考えて、こうした現代の宣伝・集客方法には疑問を呈していきたいです。
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