クレスピ効果とは 報酬の量でやる気が変わってしまう【経費削減NG】

心理学・人間関係

経費削減は、実は単なるコストアップになるって知ってましたか?

それを表しているのが今回紹介する【クレスピ効果】です。

『報酬』が与える影響は、あなたが考えるより実は相当大きく、安易にコストカットといって従業員の給与を減額することは、実は非常に危険なのです。

絶対にやってはいけない『報酬の減少』。

これらが人間だけではなく、動物にまで与える影響を少し見ていきましょう。

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クレスピ効果とは

クレスピ効果とは、『ごほうび』や『報酬量の増減』によって、その後の行動ややる気が著しく変わってしまう現象の事。

特い報酬の減少による低下の度合いが強い事が懸念されます。

アメリカの心理学者、クレスピ-Leo P. Crespi-がネズミを使った実験により発見しました。

この実験ではネズミに与えるエサの量を急に減らすと、ネズミが駆け寄ってくる速度が低下する。

という事が結論付けられています。

報酬の量によって行動力が増減してしまう事は、人間に置き換えると『給与の増減』が一番近い事になります。

また、人間の子供で言うと何かやった後の『ごほうび』ですよね。

大人でも子供でも関係なくやる気が変動するのです。

これは、『報酬』というある種打算的で、利益の為に行動する人間の理知的行動の側面に見えますが、実は根は深く本能レベルでもこの効果が実証されると指摘されているのです。

勿論人間やネズミ以外の動物にも適応されるので、報酬がそもそもの行動目的である『仕事』には特に注意が必要です。

人間の『給与』や芸事をする動物の『ごほうび』など。

何度も言いますが、報酬が減ると一気にやる気が激減します。

報酬額に比例していないところがミソです。

生物は本能的に、今よりも損をするのが嫌いなのです。

はむらいと
はむらいと

生存本能に根差してるんだろうね

生きる為の欲だ。

闇の人格
闇の人格

安定を確保しないと生きてられないのよ。安定によって労力を減らそうとするのは当然の行動なの。

報酬によって行動力や目的が変わる現象が他にも…!?

>> アンダーマイニング効果とは 報酬がやる気を無くしてしまう【注意】

経費削減がNGな理由

この様に、クレスピ効果の観点から考えると、従業員の経費削減と言って経営者がケチケチしているのにはかなりの問題があります。

従業員の行動原理を一時的に削いでしまうだけでなく、場合によっては半永久的にやる気を奪ってしまい、果ては退職という事になりかねません。

もし、経営側の『何となくで』給与見直しをされた従業員たちが存在するとしたら。

もしかしたら経営側から見れば、1人1人から5000円を月々削って、数十万円を浮かせたつもり、と言うことがあるのかもしれません。

しかしこれがトリガーとなって、退職行動を引き起こしてしまったらどうでしょうか。

退職?また人を雇えばいいじゃないか?

うちについてこれない奴は要らないよ

闇の人格
闇の人格

っていうバカが増えない様に言っておくと…

人を新たに雇い入れるコストは70万円~100万円ほどと言われています。

求人掲載にかかる費用、人事部が動くコスト、総務が処理する書類。再教育コスト…。

こういった、当たり前の様にかかるコストを軽視していると、会社が出すはずだった利益を永久に失ってしまいます。

例で言うと、求人媒体各社での平均予算推奨額は日の予算で3000円~8000円程度を定時されることもあり、これだけで月額コストが10万円~25万円もしてくるのです。

しかもこれが、一業種のみでと言うのですから会社の計上負担として大きくのしかかってくるのは言うまでもありません。

先程例で表した高々数千円の減額が、会社にとって一瞬で100万円の損失を作る事にもなりかねないのです。

探求者
探求者

人を雇うのってお金かかるんだね…

はむらいと
はむらいと

特にブラック企業は、こういった雇い入れだけで貧乏になってるんじゃないかと思う

ブラック企業が人を安く雇い入れていても、実質赤字で自転車操業なのもこうした側面を見れば納得ですよね。

低賃金→減額→退職→雇うの負のループをずっと繰り返しているからなんです。

闇の人格
闇の人格

残念ながら経営層がアホだといつまでも改善しないわよ。

はむらいと
はむらいと

支配の為に心理学を学ぶのはおかしいけど、経営の為の心理学は学んでほしいね

入社前に見分けるブラック企業の話。

>> ブラック企業の見分け方 体験談から語るマジでヤバい会社【実話】

報酬=やる気

経営体質があいまいで古い会社ほど

「奉仕の精神が大事だ! 報酬にやる気を左右されるなどたるんでいる証拠だ!」

などと喚き散らします。

しかし、実際にはこうしたクレスピ効果によって、生物的な本能でそれを拒否しているというのが裏付けられている為、実態としては従業員の給与とやる気を軽視する『経営者の方が怠慢』という事になるのです。

適切な給与、適度なごほうびをコントロールすることによって、お互いにストレスなく仕事をしていくのが一番です。

それらは仕事だけではなく、子育てや学習、夫婦間のやり取りなど何も変わりません。

『生物は、損をさせるとやる気が超下がる』

これは絶対に覚えるべき生物間での不変の法則なのです。

給与減額によってコストを抑えようとしている経営者がもしいるとしたら、冷静になって見限る時期を決めてもいいかもしれませんね。

だってその経営者、人を操る術を持たない危ない経営をしているかもしれないのですから。

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