カチッサー効果とは 理由があることで許しが出る不思議な心理効果

心理学・人間関係

人にお願いを通しやすくする魔法の言い回しがあります。

ご存じでしょうか?

これは有名な実験で、結構無理な難題でもスルスルと通してしまう。

非常に心強い心理効果です。

あなたのお願いを通す時に、これを意識して行えば、相手からOKが貰える確率が少し上がるかもしれません。

是非確認していって下さい。

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カチッサー効果とは

カチッサー効果(Automaticity)とは、特定の条件を付けることによって、思考する機会を無くし、承諾や行動を取ってしまう状態を指します。

これを説明するのに非常にわかりやすい実験が存在します。

心理学者のエレン・ランガーが1970年代に行った、順番待ちに対する実験です。

それはコピー機の渋滞列に足して、下記の様な呼びかけをし順番を譲ってもらうという内容です。

すみません、5枚なのですが、先にコピーをとらせてもらえませんか?

すみません、5枚なのですが、急いでいるので先にコピーをとらせてもらえませんか?

すみません、5枚なのですが、コピーをとらなければいけないので先にとらせてもらえませんか?

それぞれ、『率直に頼む』『理由を話して頼む』『よくわからない理由で頼む』という内容です。

この時、理由を何も言わずにただ頼んだ場合は凡そ60%程度で譲ってもらえたのに対し。

理由を付けた後者2つは成功率が90%を超えていたと言います。

コピーを取る枚数を変化させた時もこの実験は有用であったことが証明されました。

当然、枚数が増えると断られる率は上がっていきますが、枚数を変更させた時の成功数を比べた時にも1.5倍以上は成果があったとが解っています。

ここから読み取れることは「人は理由らしきものがあれば、それを納得してしまう」ということです。

人に物を頼むときの理由付け

ハテナ

この様に、誰かに物を頼むときは「~なので、○○してもいいですか?」や「~なので、○○していただいても良いですか?」とするのが効果的です。

この「~なので」というのが日本語での『理由付け』の表現にあたり、前後の文脈に関わらず、頼まれている事柄に納得してしまう事になるのです。

極論「頭が痛いので、帽子を貸してもらえますか?」というのも通用します。

言われた方は一瞬「え?帽子?そんな効果あったっけ?」となりますが、何となく納得してしまって、帽子を貸す確率が上がります。

「喉が渇いてしまって、お茶を入れてくれませんか?」

などは何処でも使えるものとなります。

理由もしくは理由の様なものを話すというのは、相手の判断力を鈍らせる効果があると思ってください。

悪用してはダメですよ?

あくまで正当なお願いの時にしましょう。

カチッサー効果を使った説明の使いどころ

カチッサー効果は単なるお願いに限定しなくとも、色々なシーンで活用することができます。

例えばビジネスシーンにおいて。

「この仕事を至急手伝ってほしいのだけどすぐ着手できる?」

「緊急の案件があるので、○時以降ならお手伝いできます」

こういった場合相手も「他に用があるなら仕方ない」と考える確率が上がります。

単に断りを入れるよりもよほど心証が良く、相手も納得済みでできます。

例えば遅れたレポート提出において。

「どうして提出が遅れたのか」

「コピーの行列ができていて、2.3件回ったのですが結局同じ状況があったのでおくれてしまいました」

ちょっと言い訳がましいですが、何もないよりはマシです。

という様に『理由がある』。そして「~なので」の様に理由を言っている文脈を使う。

という事が、カチッサー効果の重要な点となります。

何事もやりすぎは意味がない

カチッサー効果は非常に効果的な心理効果ですが、毎度毎度やるののは自分にという意味で辞めた方が良い事も覚えておきましょう。

承認率があがるので、ついつい使ってしまいがちになりますが何度も何度も使用するとあいてがカチッサー効果に気が付かなくても。

「この人頼みごとの多い人だな」

と警戒されてしまいます。

あくまでお願いを連発するものではなく、自身の通したいお願いが通る確率を補助するもの。

そういう理解をもって使用しましょう。

それ以外の時に乱発すると、本当に必要な時にお願いが通らなくなりますからね。

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