会議での発言順や私語の出方。
そして座る位置で、すでに関係性ができ上っているとする理論があります。
スティンザー効果です。
話し合いの場で避けて通れないのが、反対意見や会議の掌握。
反対に同調意見の効果的な使い方などを知り、なるべく衝突を避けてなるべくスムーズに進行したいものです。
今回はこれらを少しでもうまく運ぶことを目的とし、この会議における重要な心理学を見ていきましょう。
知っているだけで、会議に参加した時の発言や力関係を計る物差しになるでしょう。
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スティンザー効果の意味
スティンザー効果、またはスティンザーの三原則はアメリカの心理学者、スティンザーによって提唱された心理的作用。
30年間のデータを取って発表しました。
小さい集団における心理的な原則を指しており、主に会議の座る位置別にその捉え方を説いています。
「会議では座る位置によって、その関係性が変わる事がある。反対側に座る同士は衝突することが多い」
「会議ではある意見のあとの発言は反対意見が多い」
「会議中、進行役のリーダーシップの強さによって私語の発生の仕方が変わる」
というものです。
それでは順に見ていきましょう。
スティンザー効果 3つのパターン
会議で正面に座る
会議の時に正面に座る人同士は、意見が対立し反対意見になることが多いというもの。
座る位置は当然入室時点で決まりますから、わざわざ反対側に座る人は、あなたと意見を対立させたいと思っているのかもしれません。
つまり会議の初期配置で、既にある程度の関係性が見えてくるのです。
また、これに付随するような要素があります。
真横に座る人は、その横の人の意見と同調しやすい。
斜めに座る人とは、意見の衝突が起き辛い、という物です。
特に真横の場合は見える目線がほぼ同じであったり、語る時にも顔が物理的に近かったりと親しくなる要因が多く、それが同調に繋がっています。
斜めに座る場合は、意見が対立しないのでカウンセリングに使うなどの事例があります。
これらは位置関係を利用する多くのコミュニケーションで取り入れられる、基本的な心理効果なのです。
同一コミュニティ内の会議であれば
座る位置で一旦関係性が見えてしまうかも
勿論全部が全部高ではないけど、一つの参考にね
会議の発言時タイミング
会議中、ある発言があった次のタイミングの発言では、反対意見が多くなるというもの。
ある発言に対しては、反対意見が無ければ何かを述べる必要がほとんどありません。
無言は同意と取られる様に、それはこういった事でも同じなのです。
反対に、発言する必要があるという事は補足であったり確認であったり、そして反対意見であるということ。
また、こういった場合の対処法を逆に考えてみましょう。
反対意見が出やすいという事は、間髪入れずに「賛成!」と発言することで、その発生を抑えることができるかも知れないということ。
つまり、反対意見を勢いで封じてしまう事が可能なのです。
結構強引な手段ね…
やり方次第だけどね
会議中の私語について
会議中、進行役の権限が強い場合は隣同士での私語が多くなる。
進行役の権限が弱い場合には正面同士のやり取りが多くなるというもの。
この権限とはリーダーシップとも例えられます。
つまり、ある種場を支配している力があるかどうかとも捉えることができますね。
確かに、怖い人が喋って進行している時は隣とひそひそ喋り、怖くない人が喋っている時はテーブルを横断して喋っている人が多い雰囲気を感じることがありませんか?
あれは、無意識に場の支配度を頭の中で選定し、それに従う。
あるいは逆らっての行動。
ということなのです。
遠くの人と話すと、ちょっと強くなった気になる
まさにその状況だよ
テーブルを横断する距離が増えるほど、逆に進行者が小さくなってしまうっていう
こちらの応用の仕方は簡単です。
進行役の乗っ取りです。
つまり、あなたが参加者として会議を眺めている時に、私語の発生の仕方によっては進行役の権限が弱い事が分かりますよね。
それを発見した場合、その会議の進行を自分で乗っ取りに行くことが可能なのです。
だって、進行役が仕事をできていないのですから。
この方法を使う事で、場を掌握しあなたの意見の重要度を上げることが可能です。
こうした意見の取り合い、化かし合いが行われる場合、もしかしたら最初から仲が悪い関係なのかもしれませんが…。
客先訪問では座る位置が参考にならない
スティンザーの座る位置に対する意見はあくまでも、小規模会議でさらに同一コミュニティ内でないと成立しません。
何故なら来客、あるいは訪問で会議が開かれるときは【ゲスト】と【ホスト】の関係がはっきりしているからです。
この場合、座る位置による力関係の構図は見えませんが、1つ取れる戦略があります。
それは、力のある相手を利用とする場合、つまり相手のリーダー格の人に対してなんらかの意見を有する場合はその斜めに座れという事です。
来客、もしくは訪問の場合は対面で座る事が多く、複数同士である場合はテーブルをはさんだ配置になるのが基本です。
そして、正面に座ると心理的にもどうしても対立しやすくなってしまう為、これを避けたい場合が出てくるでしょう。
なので、どうにかして相手のリーダー格の斜めに座るのです。
こうすることによって、相手からの印象的なマイナス評価を避けることができ、さらに会議の間に同調していく事で「この人はやり易い人だな」と思わせることができる様になります。
単純なテクニックですが、人間は結構単純にできていますので使わない手はありません。
知っているだけで、結構状況が楽になる事もあるから是非使ってみてね
意見は情熱だけではなく、戦略的な側面も絡めて通しやすくしていきましょう
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