ピエロ恐怖症。
あの無機質で、無頓着で、どこか愛嬌があって、そして恐ろしい笑顔で。
そんなピエロに恐怖したという経験はありませんか。
それこそ道化恐怖症と言われる症状。
日本ではなじみが薄いですが、サーカス文化の根付く国では結構知られたものです。
今回はそんな恐怖症の特集です。
見えない物には恐怖を感じるんだよね
う、うん……
ピエロ恐怖症とは 【道化恐怖症】
道化恐怖症は文字通りピエロメイクを見る極端な恐怖を覚えるという症状。
ピエロ恐怖症、クラウン恐怖症、Coulrophobia(コルロフォビア)など呼び方が様々あります。
ピエロは目元、口元、鼻。そして髪の毛にそれぞれはでな意匠をし、格好も奇抜なのが特徴です。
特に顔のパーツ類の範囲がそれぞれ広く、表情が伝わりづらい事がその恐怖の対象とされています。
無表情に笑ってるところとか、人間味が無くて不気味ですよね。
笑顔はコミュニケーションの最も共通するところ、原始的には生き残る方法の一つなので、それが中途半端に機能していることに本能的に恐怖を覚えるのです。
赤ん坊などは自然に笑顔を作りますが、これは生き残る為と言われています。
症状としては動悸や不安、酷くなると恐怖のあまり泡を吹いて倒れるなど、超緊張状態を示唆するものまであります。
ピエロ=ジェスターはサーカスなどに登場したり、トランプでもジョーカーとして登場する為、接触機会はそれなりにあります。
欧米ではこうしたピエロ恐怖症というのが定着しつつあり、理由の一つには幼少期に触れるものにサーカスやヒーロー物の悪役などで、ピエロが多いからと言われているほどです。
日本人は日常触れる機会が少ないので、そこまで怖くないという事でしょうか。
ピエロ恐怖症の刷り込み
恐怖症というのはある種本能的な物や刷り込みなので、あまりトレーニングで解消はしませんが、俳優のジョニー・デップ氏は自宅にピエログッズを置いて克服しようとしているようです。
ピエロ恐怖症自体は比較的新しい概念ですが、『流行している』と報じられたのが2015年。
道化師は本来、愉快なイメージを持つ者でしたがその愉快さと無表情さがマッチしてしまい『恐怖の象徴』として捉えられる様になりました。
特に、悪役としてピエロが登場することが多くなったことで、その恐怖心を子供たちに植え付けることになっています。
日本ではピエロ=そんなに強くないというイメージが若干あります。
HUNTER×HUNTERのヒソカは強キャラ臭が出ていますが……。同じく冨樫先生の幽遊白書を見ると、美しい魔闘家鈴木というのも居ます。文字通りの道化キャラです。
フランス東部では『ピエロ対策』というのが一時的に広まり、ハンマーやこん棒などを用意し少年自警団なども組織されました。
まさに子供たちにとっては恐怖の象徴だったわけです。
日常のピエロ恐怖症の例
ここでは日常で遭遇しやすいピエロについて紹介していきます。
ランランルー。
ドナルド
日常で遭遇できるピエロ恐怖症の例と言えば、ドナルド・マクドナルド。
日本ではなじみの薄いピエロ顔ですが、ドナルドだけは日常的に確認することができます。
『ドナルドのウワサ』昔はこんなCMも放送していたのですよ。
このドナルドのウワサは全7種類。当時流行した『ランランルーってなに?』も収録されている伝説のCMです。
いわゆる、誰でも見たことがあるシリーズ。
放送が2004年からなので、世のアラサーより上には懐かしい筈。
ランランルーのバージョン。
「ドナルドは嬉しくなると、ついやっちゃうんだ」
このセリフが衝撃的すぎて、コラ画像が大量に作られました。
一種のミームですね。
ジョーカー
バットマンの宿敵ジョーカーも有名ですね。
ジョーカーの容姿もご多分に漏れず。白い肌、目元のメイク、赤い鼻、大きく開くように演出された口。
そして特徴的な髪の毛と、派手な服装になっています。
ジョーカーは悪役としては有能(?)でライバルのように書かれているので、そこまで嫌悪感を抱く人もそんなにいないはず。
ドラゴンボールのフリーザ様的な位置でしょうか。
やはり日本人にはイマイチピンと来ないかもしれないクラウンの恐怖。
ピエロ恐怖症の克服
ピエロ恐怖症自体、そもそも最近人間が作り出したキャラクターに対する概念なので、恐怖する必要が無いというのが前提です。
お化けや吸血鬼伝説と違って、恐怖譚としての認知も浅く概念としても決まり切っていません。
実際にピエロキャラクターは多くの種類がありますが、ひとまとめにする為には特徴が多すぎるのです。
であれば本当に恐怖を感じているのは、人間の表情認識能力の方で、不気味の谷と呼ばれるロボットと人間の無表情の狭間や生理的な物であると理解したほうが克服は容易いです。
ジョニー・デップの様に、克服前提で家にピエロを置いてトレーニングする例もあります。
常態化してしまえば、驚くこと自体にエネルギーを使わなくなるので新奇恐怖とは逆の心の動きになります。
もし、幼少期の刷り込みが原因であるとしたら少し取り除くのは難しいかも。
三つ子の魂百までという通り、身に付いた習慣や常識はちょっとやそっとでは変えられない物。
先行恐怖の有利とでもいうか、成人後の後天的な要因よりも成長過程の刷り込みの方が遥かに強いのです。
恐怖系の克服は下手をすると悪化したり、泡を吹いて倒れたままという非常に危険な側面もあるので、お医者さまやパートナーが見てくれている状況で行うのが本当はいいのです。
自力で恐怖克服は難しいと考えて下さい。
余談ですが、ピエロ、クラウン、ジェスター、ジョーカーは全て道化師と訳されます。
ただクラウンの中にピエロという種類が居ます。
ネコ目 イヌ科 みたいですね。
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