認知的不協和とは 本心をすり替えてしまう自己正当化の心理と対策

心理学・人間関係

認知的不協和。

原因と結果を見比べた時に、自身の心の持ちようと一致しない事はありますか?

そのあと、あなた自身が行動解釈を変えてしまったり、実はこう考えていたと取り繕う事がありませんか?

こういった不思議な行動の解釈をするのが認知的不協和です。

探求者
探求者

ダイエットが上手くいかなくてさ……

はむらいと
はむらいと

あー、理由は?

探求者
探求者

付き合いの食事が多くて……

はむらいと
はむらいと

それも認知的不協和だね

今回はその認知的不協和の基本的な考え方と、解消方法についてとなります。

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認知的不協和とは

不安を抱える女性

認知的不協和とは、自身で矛盾する物事や考え方を抱えた状態に対して、気持ち悪さを覚える心的反応。

アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱されました。

さらに、自分の中で考え方に対する矛盾を抱え込むと、それらに対する修正として矛盾しない理由を付け足そうと行動します。

○○を実行する為には、××を犠牲にしなければしょうがない。今回はしょうがないのだ。

といった具合です。

実際に具体例を出して見ていきましょう。

認知的不協和の例

認知的不協和では、自己正当化現象がどんどんと現れます。

まるで子供が下手な言い訳をしているかの如く。それはもう、はた目から見て恥ずかしいほどに自分の行動を正当化します。

例をいくつか紹介していきます。

Case1 限定品の購入

お金

お金はないんだけど、限定品ならしょうがない、あとでもっと高くなるかもしれないから今買うのがベスト。

そもそもこの場合は、買わないのがベストな選択ですね。

お金はないけど【後で高くなるかも】という理由に逃げて、購入に踏み切りる様に正当化しています。

Case2 禁煙の失敗

悩む男性

煙草を辞めろと言われるが、タバコで吸う害よりもタバコを吸わないストレスの方が体に悪い

喫煙所でしかできない話もある

禁煙してみてコミュニケーションツールとして必要だと感じた

禁煙に失敗している人達が良く言う例です。

健康を害するから、または家庭環境などの理由により、禁煙を始めようとする。

しかし、それ以上にキツイ事が出てくる為実行に支障をきたした。と言い訳をします。

吸ってない人からすると意味不明な発言ですが、本当によく見られますよね。

Case3 ダイエットの失敗

雑談する女性

食事を減らそうと努力はするのだけど

美味しくてついつい……

仕事が忙しくてさ

筋トレなどは取り入れる時間が無いんだよね

今日はチートデイだから何を食べてもOK

ダイエットは目に見えた成果が出るのが遅く3日で飽きるので、大体環境の所為にしがち。

忙しくても、誘惑があってもやるのが健康管理ですよ?

論点をずらした自己正当化

アンニュイ

この様に、認知的不協和は非常に日常に溶け込みやすく我々はその【できない理由】の変遷に、違和感すら覚えません。

だって、日常的に実行してしまっているから。

この様に現在の論点と、無いようを変えて議論しようとする事をストローマン論法といいます。

本質はそこではないはずですよね。

決定後の不協和

会議

決定後の不協和は、プロセス決定後に意識的な解釈を加えることで、心を落ち着かせようとする心理作用です。

例えば、前段階で優性が分からない株が二つあるとします。

資金的にはどちらか片方しか購入することができないのですが、この場合Aを購入した後にこういった考えを起こすのです。

「Aの方が先々伸びる可能性が高い、Aで正解」と。

根拠や理由は何でも構いません。

とにかく、自分が選択した結果の方が優れていると後から思い込むのが、この決定後の不協和の特徴です。

こういうケースが想定されるのだから、自分の意思決定は正しかったとどうしても心が働きかけます。

さらに、これも後発要因ですが、自分が選んだものに対する好感度を上げる傾向があります。

AさんとBさん、どちらの異性がいいだろう?

というは、結果的に付き合えた方の評価をあとから修正し上げる傾向にあります。

私たちの心はそういう風にできているのです。

バランス理論と認知的不協和

不安を抱える女性

バランス理論という考え方があります。

3つの要因からその場面の【プラス(好意)】と【マイナス(悪意)】の積を計算し、プラスであれば調和しており、マイナスであれば不安定であるという考え方です。

認知的不協和においては、自分の考える当初の好意的解釈とその結果が合わない場合(悪意)に不協和が発生します。

バランス理論の場合も、【プラスorマイナス】を変えて最終的な席を【プラス】にしようとしますが、認知的不協和も同じです。

Aが嫌いだったから結果もダメだった=よかった。

この場合は『-』×『-』=『+』だから調和していますね。

安定する、安定しないというバランス理論の考え方は認知的不協和と通ずるところがありますので、是非確認してみてください。

自分の決断を疑う

認知的不協和はしばしば、利益とは逆方向に動きがちです。

やらない理由・サボる理由を探すのが得意な我々の脳は、実は常に実利とは矛盾した行動を取っています。

そういった事に対処する為に、以下の様な点を心掛けましょう。

選択を疑う

瞑想

自分の選択は常に疑う必要があります。

常に疑う、というのが疲れる人はルールを決めておくといいですね。

【お金に関わる時】【健康に関わる時】【人間関係に関わる時】など。

項目を増やしすぎても管理が大変なので、自分が失敗したなと良く感じる項目について、認知的不協和が働き意見がおかしくなっていないかを確認してみましょう。

意外と感情論だけで動いている物です。

選択に感情を込めない

憂鬱

上記の様な、ジャンルで管理が難しいという人は、そもそも選択に感情を込めない方法をお勧めします。

数字や結果だけを追うのです。

冷静になり切れる、と自信のある方にはオススメの方法です。

ただ、そもそもこれができる人は認知的不協和で悩むというシチュエーションにはなっていない様な気もします。

他人に意見を求める

友人

自分の話では、うまくいかない事も多いです。

他人の恋の悩みには良く口添えをするでしょう?

それと同じなんです。

人は他人に対して評価を下す時に、単純な利益で比較をする傾向にあります。

自分の選択に自身が無くなった時に、頼れる人を作っておきましょう。

冷静な友人はこういった時の財産となります。

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