「させていただく」もしくは「させて頂く」というワードは、社会人が使う敬語の中でも非常に間違えやすい物だと知っていますか?
「え、よく聞くし先輩も上司も使ってるけどおかしいの…?」
おかしいんですよね。
言葉は生き物だと言いますが、その言い訳を盾に何でもかんでも誤用のまま使っててもいいわけではないので、特に連絡が沢山ある場合は注意したいところです。
先輩に注意できなくても、後輩にはやんわり教える事ができますしね。
ささっと正しい日本語が使えると、やはり教養があると思われてわかっている人には重宝されますよ。
『させていただく』は『させてもらう』の謙譲表現です。
使い方を誤ると頓珍漢なことになってしまうので、下記を見て少し例を頭に入れてみて下さいね。
させていただくは誤用の多いビジネスワード 使い方を知ってろう!
答え:させていただく→いたします
今回は結論から入りますが、『させていただく』を『いたします』にすると大概正解になります。
でも、これは雑な解説なので、勿論何でもかんでもそうすればいいというわけではないですよ?
『させていただく』の使用にあたり、判断のポイントは下記の通りです。
・こちらが恩恵を受ける内容であるかどうか
上の二つの条件にマッチした場合に、使うのが正しい状態とされています。以下引用。
「(お・ご)……(さ)せていただく」といった敬語の形式は,基本的には,自分側が行うことを,ア)相手側又は第三者の許可を受けて行い,イ)そのことで恩恵を受けるという事実や気持ちのある場合に使われます。したがって,ア),イ)の条件をどの程度満たすかによって,「発表させていただく」など,「…(さ)せていただく」を用いた表現には,適切な場合と,余り適切だとは言えない場合とがあります。
引用元:文化庁敬語おもしろ相談室
大概のシチュエーションでは、相手の許可が要らない場合がほとんどです。
だから誤用の場面が多くなってしまうのです。
させて【頂く】は誤変換
漢字の頂くというのは、もらうの謙譲語として存在しています。
食べる行為、大切にする行為などをあらわし、ひらがなのいただくとはそもそもの意味合いが違います。
以下、引用します。
ひらがなで「いただく」と書く場合は、「何かを~してもらう」という意味で使います。例えば「ご覧いただく」「お越しいただく」「ご足労いただく」といったようになります。つまり「~していただく」はひらがなで書くのが正解です。「〜して頂く」「させて頂く」は誤りになります。
引用元:英語部さん
この様に、今回の主題の「させていただく」ではいただくを平仮名表記する方が正しいです。
どうしても、漢字に変換されてしまう為、何の気なしに漢字を使っていますが、皆さんもご変換していませんか?
ちなみにこういった言葉で有名なのは他に「できる」がありますね。
例文で誤用を確認してみよう
よく見る誤用
研究発表の場などで、よく散見される誤用が下記です。
本日発表をさせていただきます、勘違いくんです。
よろしくお願いいたします。
ゲストかホストかとか、細かいシチュエーションにもよるんだけど
基本的に「発表いたします」でいいわ。
指名された時はシチュエーションによるわね。
傍聴者で出席していての「質問させていただきます」はOKよ
その他、「説明させていただきます」「紹介させていただきます」も基本的には間違ったシーンで使われることが多いです。
お世話になっております、株式会社イシキタカイの勘違いくんです。
○○の件でメールさせていただきました。
あ、ハイ。ドウモ。
(なんか面倒な文章のメールね)
基本的にメールは一方的に出している物なので、相手方の許可を取らずに発信していますよね。
内容によっては、へりくだりたいのは理解できますがやはりおかしいです。
また、店舗などでも「本日、臨終休業とさせていただきます」というのも多いですが、お店を開くかどうかは基本的に店側の都合なので「本日、臨時休業となります」など、許可を取り払った表現が正しいと言えます。
敬語の二重表現になってしまう例
さらに、こちらは二重敬語の例です。
こちらが、今回の資料となります
拝見させていただきます
(うわっ、二重敬語…)
単純に「拝見いたします」が正しい使い方ですね。
他に直したいのは「伺います」、「申し上げます」など、これらにさせて頂くを付けてはいませんか?
相手の許可を取っていると取れなくもないですが、二重敬語のルールも適用されてしまう為、不適切になってしまいます。
正しい使い方
間違いの理由を明らかにしたところで、正しい使い方の例も見ていきましょう。
私共の不手際で申し訳ございません。
会議の時間を、再設定させていただきます。
はい、よろしくお願い致します。
この場合は、なんらかの不手際で会議の時間をずらす必要が発生しており、そこに関しての相手方の許可と再設定による恩恵が発生しています。
これが一番目にしやすい『させていただきます』の正しい使い方です。
今回の資料です
こちらの資料を、コピーさせていただいてもよろしいすか?
この場合、資料の出典元が相手方となり、相手の許可が必要と考えられる為、正しい使い方であると言えます。
させていただくは誤用率TOPクラスの日本語です。
しっかり使い方を学んで、スマートな社会人を目指しましょう。
今回もワタクシ勘違いくんが
大活躍させていただきました
なおってねぇぞ、オイ…
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