この世はいわば、神様がコンピューターの中に作っている箱庭です。
私たちが見ている世界は、『現実』ではないのです。
この様な仮説を大真面目に検証・提唱しているのが、このシミュレーション仮説です。
ここで言う神とは、所謂神話の神様ではなくて、神に等しい力を持った上位の存在という事。
もっと平たく言うと、我々の創造主とか。
広義では宇宙人。といったところでしょうか。
人間より頭が良く、次元も一個上の絶対的存在…。
ぶっ飛んだ話題ね。
嫌いじゃないけど。
このシミュレーション仮説自体は、結構前から提唱されてるんだよね
シミュレーション仮説とは
シミュレーション仮説とは、冒頭触れた様に、我々の宇宙は上位の存在によって作られた、高度なコンピューターによるシミュレートされた宇宙である。
というもの。
現実と思っている物はデータ、人格だと思っている物もデータ、現象だと思っている物もデータ。
全てをプログラムと置き換えてもいいかもしれません。
とにかくそういった、コンピューターの中の人工物だというわけです。
哲学者ニック・ボストロムの提唱する意見を簡単にまとめると下記の様になります。
世界の真実に気付かない、シミュレーション人格が住んでいる世界がある。という定義だね。
そうそう、あってる。
じゃあ次に行くよ、我々は次の選択肢のうちどちら?
まぁ、どちらかではあるわよね。
それで? この場合は後者よね。
うん。この次は可能性の分解なんだけど…。
ここではそのレベルに到達できない。もしくはやらないって言ってるわね?
主旨としては、この条件をクリアできた時に、我々はシミュレーションの中で生きている確率が高いという事が言える。
ってこと。
なんで?
1.シミュレートができる知的生命体として、発展をする。
2.そのシミュレ-トを行う事に、何の障害もない。
3.これらが可能な場合原初の知的生命体から派生した、シミュレーション宇宙の中で、さらにシミュレーションの宇宙が作られる可能性がある。
ということ。
シミュレーション宇宙がマトリョーシカしている…。
そうそう、このマトリョーシカの様な構造が無限に続くから、我々の宇宙もその中の一つにすぎない可能性が高いという見解。
やや強引で短絡的な解釈ですが、おおよその概要はこんな感じです。
肯定派の意見 マトリックスの世界
肯定派の中にはあのイーロン・マスクも居るこの仮説。
幾つか肯定意見がある中でもっとも有名なのが、『処理速度の限界』という物。
光速は、どの条件で観測してもそこを超える事の出来ない速度。
例えば時速30㎞の自転車同士が、対向車としてすれ違えば、お互いの自転車ののリテが体感する速度は時速60㎞ですよね。
しかし、光速にはこれが適用されません。
どの状況で確認しようが、光速は高速です。
この様に『早さの限界が決められているというこの世』が、そもそもおかしいのではないか?
とするものです。
光速が宇宙のシミュレーションをしているコンピューターの、処理速度の1つの限界であるなら、上限速度が設けられているという状況も納得ですね。
マトリックス
物凄く流行った映画であるマトリックスの題材も、このシミュレーション仮説です。
舞台となる現実は、実はスーパーコンピュータが、人間に夢を見せているという話。
映画内では、「これは現実か?」との問答に対して
「では現実とは何だ?脳の電気信号の情報ではないのか?」
といったやり取りが見られます。
まさに、『現実はデータではないのか?』 と、一石を投じる作品です。
この世は夢幻か?
>> 水槽の脳とは この世界は脳が見ている仮想現実か【哲学】
オカルト面からの肯定
僕自身はオカルト現象が、一種のコンピュータバグで、そうした事がこの仮説の裏付けになったりしていると面白いなと思っています。
例えば幽霊などは物理演算以外にこの世に組み込まれた何か…。そうですね、『魂』とか『精神』とか。
普段は顕現しない『設定』なのですが、偶に知覚できるバグがあったりするわけです。
そういった事で、本物のオカルティックな現象が起きている。
という解釈もアリではないでしょうか。
下記はパウリ効果に関する記事ですが、こうしたちょっと不思議な現象は、あなたもこれまでの経験で何度か味わった事があるのではないでしょうか。
超常現象がある=この世はシミュレーション。というわけではないですが、そう考えるのも面白いですよね。
人気記事 パウリ効果は本当? 対策方法と現象のエピソードを解説します
否定派の意見
否定派の簡単な意見としては、
『その様な超高度演算ができるコンピューターは存在しない』。というのがあります。
我々が存在する、観測可能な範囲の内容物質という定義があります。
銀河がいくつあって、星がいくつある。というものです。
その中には、現実的に存在する『原子の数』というのも計算されており、
『観測可能宇宙内の原子数を約1080 とする』というのがあります。
通常よく習うのは無料対数の68桁までで、そこより遥かに上です。
一万不可思議として定義される桁数ですが、観測可能な宇宙の数のこの原子構成を、常に計算し続けるのは不可能だ、と言う反証です。
また、この反証に対する反証も存在します。
全て計算から可能性を導き出している
これらは突拍子もないトンデモ仮説として聞こえるかもしれませんが、計算している側の学者は大まじめです。
我々が住んでいる宇宙が、どの様な構造でどんな目的をもって作られたかなんて、想像するだけでワクワクしませんか?
この宇宙が作りものである!
理由は、観測してたら時空間のひずみを発見したから!
速度に上限が設けられているから!
何でもいいんです、物質論だけでは語れない何かを想像して、大真面目に研究していく。
僕はそんな分野の研究者たちに敬意を持っています。
この様に、宇宙には我々の知らない何か、そしてそれを感じさせるものがあります。
いつかこういった物に、解答が出ると面白いですよね。
次のわくわくも待っていますよ。
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