代替肉メーカー自体と次世代代替肉を作る話が、現在盛り上がっています。
日本国内ではピンとくることは少ないですが、ヴィーガンなどの動物由来製品に一切手を付けない人達にも食べられるものです。
植物由来で成分で作られ、お肉に似せた物。
中国風に言うと精進料理が近いでしょうか。
あれらは肉に似せた料理ですが。
もともと世界中で家畜の飼育に限界がある事や、NASAの宇宙食開発の研究などもあり、研究が進められてきた分野です。
今回はそんな代替肉に関する話を、ちょっとだけ紹介します。
代替肉の市場規模拡大 未来の食糧事情 空気から肉を作る?
代替肉とは
主に大豆で作っているのよね?
根本的には大豆が多いみたい。
やっぱり肉というからには、タンパク質が必要で。
代替肉と呼ばれるものは
植物由来成分から抽出した、タンパク源を使って生成された植物由来肉。
家畜の細胞から取り出したものをベースに、バイオテクノロジーで培養したクリーンミートなどがあります。
また、魚肉の植物由来肉への転換も進んでおり、マグロの肉(ツナ)もどきを生成するのにも成功しています。
また、生成した物から3Dプリンターを使って固形化する研究もされています。
市場規模は今後4兆円まですぐに成長するだろうとの見方もあり、大手企業が投資を行ったり、新興企業が研究所を立ち上げたりと、かなりホットな業界なのです。
発端は畜産による環境破壊など
現在人口が増えているのを皮切りに地球環境の悪化が叫ばれています。
1950年頃の総人口は25臆人程度と言われていましたが2011年に70億人を突破、今なお増え続けています。
そして、人口が増えた分、当たり前ですが食料を補う事になります。
第一次産業は、より効率性を求められるようになるんです。
畜産業には当然ですが飼料が必要で、簡単に言うと、牛が草を食って育ちその牛を解体して出荷する。というプロセスがありますよね。
その草、喰い続けるといつか剥げますよね。
そうした森林破壊予測が進んでいるというわけです。
また下記は、2017年の畜産で実際に解体されたとされる動物の数。
(文中では犠牲と記載されています。)
2017年に犠牲になった動物の数は次のとおりだ。その数は世界人口の10倍以上にのぼる。
採卵鶏 78億3,838万羽 肉用鶏 665億6,672万5000羽 豚 14億8,598万6756頭 肉牛 3億441万4,858頭 乳牛 2億7,801万4,142頭
引用元:アニマルライツセンター公式サイト
こうした森林、草花の犠牲、動物の犠牲。
引いては地球へのダメージを配慮しての取り組みというわけですね。
代替肉のメリット
それは、エコフレンドリーであるという事。
上記の様に人口爆発が進み、畜産牛が増える事による森林、ひいては地球へのダメージが懸念されていますが、代替肉でそれらを補う様になれば、過剰な家畜飼育の必要性が無くなります。
単純に食物連鎖の工程を一工程減らせるので、供給も結果的に早くなり、関わる人員コストも減ります。
また、環境問題の点では、
地球上の家畜が、温室効果ガスの15%を生産しているという説もあり、過剰な家畜飼育は地球へのダメージが大きいと叫ばれています。
ちなみに、
牛は1頭当たりで、1年で41700リットルの水を消費すると言われます。
また、放屁にメタンガスを大量に含んで居たりと体が大きい分、環境への負担が大きいのです。
(全部人間の勝手でこうなっていますが)。
人間は、凡そですが1人当たり年間67890リットルほど。これはお風呂などの消費も含んで居ます。
衛生環境の点から配慮すると、狭い飼育小屋に無理やり押し込まれた動物たち。
糞尿の杜撰な処理による不衛生化の懸念が無くなります。
また、家畜の出荷は単純に家畜を殺して解体するという事でもあるので、生命に配慮した取り組みであるとも言えます。
代替肉のデメリットと安全性
代替肉が動物由来の肉でないという違和感を除けば、大きなメリットがある事は紹介した通りですが、当然デメリットもあります。
まず、流通や生産業が著しくとってかわる事。
どの業界にも言える事ですが、技術革新によって消える職業があります。
この場合は生産者と、その流通ルートを作っている会社が当たります。
また派生パターンとしては、通常の飼育牛などから生産される牛肉は生産者が居なくなり、牛肉100g4000円、代替牛肉100g100円という日が来るかもしれません。
動物肉の超高騰化ですね。
漫画『トリコ』でも生の食材が地球上から消えて、大根が10万単位で売られている。という描写もありました。
懸念や状態としては近いかもしれません。
安全性に関しては米国内では基準である Food and Drug Administration をクリアしており、問題はないとのこと。
また、最大のデメリットは味です。
これに関しては研究が進められていますが、要するに味を近づける為に味を生成する何か。
を塗りたくって誤魔化さなくてはいけない。
例えば、血に近い何かであるとか、油分に近い何かであるとか。
また触感の補強をするものであるなどです。
風味の再現にはヘムという植物が有効であることが突き止められており。
今後の味の開発にも期待が集まっています。
空気を読んで空気から肉を作ることにした
空気から肉を作ることに成功した
ちょっと何を言っているのかわからないと思うのですが、この研究は1960年以前よりNASAでの宇宙食実験として用いられており、下記の様な要件です。
・1960年頃NASAで二酸化炭素からタンパク質を生成するプロセスが発見される。
・現代、サンフランシスコの研究チームにより二酸化炭素をタンパク質化する微生物の発見が発表される。
・この微生物由来の肉の生成方法は、植物由来の代替肉よりも環境コストが良いのではないかと期待されている。
通常の代替肉は、上で紹介している様に大豆などの植物のタンパク質を用いて生成されます。
しかし、今回エア・プロテイン社が発表した上記の空気から作る方法を使えば、土地も水も植物由来の代替肉よりも1/1000程で賄えるとのこと。
技術革新というかブレイクスルーというか、スーパーサイヤ人の倍率(50倍)よりもヤバい、超技術インフレ。
研究者らは、ハイドロゲノトロフ(hydrogenotrophs)という微生物が、二酸化炭素を無臭の粉末状たんぱく質に変質させることを発見した。この粉末からパスタ、シリアル、シェイクなど、あらゆる種類の食品を作ることができる。
引用元:BUSINESS INSIDER
エア・プロテイン社以外にも空気中に存在する物質や、ガスからタンパク質を生成させる研究も試みられていて、食への技術革新がまさに日進月歩状態。
3Dプリンターの発達も相まって、その内サシの入った代替肉もプリントできるんじゃないか。
来年には販売したいとのコメントも飛んでおり、今後ますます代替肉の開発から目を離せない。
コメント
二酸化炭素を使ってタンパク質を作るって錬金術だよな〜
実用化されるのか〜SFの世界に生きてる感がすごい