テセウスの船とは パラドックスを思考実験に垣間見る【同一性】

科学・哲学

元々あったものから修復を繰り返してすっかり、材料が変わったもの。

果たして元のモノであると言えるのでしょうか?

あなたは、そのように考えられますか?

例えば人間って、細胞が毎日入れ替わってるって言いますよね。

例えば、肌ですと28日周期で表皮が入れ替わっているとされています。

そうしたらこの肌、一ヶ月前とは別物なのでしょうか?

人の細胞は約60兆の細胞からできており、1秒で500万以上。
1日で5000億~1兆もの細胞が入れ替わっています。

もちろん、細胞の役割によって入れ替わり周期が違いますので、120日×5000億=60兆の細胞が入れ替わっても、全く別の物質に代わっているわけではないです。

しかし…

闇の人格
闇の人格

入れ替わった細胞って元の私なの?

というのが今回紹介する『テセウスの船』の主題なのです。

最新の人工脳研究から作られる存在の在り方。

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テセウスの船とは パラドックスの話

『テセウスの船』とは

テセウスの船(テセウスのふね、英: Ship of Theseus)はパラドックスの1つであり、テセウスのパラドックスとも呼ばれる。ある物体(オブジェクト)の全ての構成要素(部品)が置き換えられたとき、基本的に同じであると言える(同一性=アイデンティティ)のか、という問題である。

引用元:wikipedia
闇の人格
闇の人格

判りづらいので、もう少しくだいて話すわ

英雄テセウス怪物ミノタウロスを倒し、
遠征先から帰る際、自分の城に帰還する為に使った船。

それが『テセウスの船』である。

この船は木製であり、保存が難しかった。

テセウスの後継の者たちは彼に敬意を表し、
朽ちる船を都度新しい部品と取り換え、元の形状を維持し、努めていた。

ある時、何代目かの修復師たちが気が付いた、修復を繰り返した『テセウスの船』は、全身がすっかり元の素材と入れ替わってしまっている事に。

『テセウスが使った船』と『現存する修復を繰り返した船』果たしてこれらは同じ船と言えるのであろうか。

船の認識は元の船だが、船を構成する部品は元の物が残っていない。

闇の人格
闇の人格

部品が全部入れ変わっちゃったら
精巧なレプリカなんじゃ…?
あれ?

はむらいと
はむらいと

でも、ずっと本物だったんだよね

人々の認識の中では

闇の人格
闇の人格

ムムム…

ほ、本物って…?

哲学者のプルタルコスによって、
一世紀には既にこの思考実験は提唱されていました。

パラドックスと思考実験

パラドックスとは逆説の事。

パラドックスとは一見まともな前提条件。

そして妥当な変遷を経て導き出される、前提や過程とは矛盾を孕んでしまった結果を指します。

その結果自体は受け入れがたいものですが、
「途中まではまともに見えた何故だ」という様な状態です。

そしてテセウスの船は同一性を考える思考実験です。

チームの同一性

「俺は巨人ファン歴30年だから」

「私は父の代から阪神ファンで」

はい、チームのファンというのは基本的にチームを愛し続けますよね。

でも、そのチーム前と同じチームですか?

ある時、そのチームがリーグ優勝して、とても印象に残り気づいたらファンになっていた。

この人は多分優勝した年のメンバーが印象に残っていると思いますが、20年後も同じチームだと言えるでしょうか。

権威の同一性

有名大学。

学生の学力は保たれている。と仮定します。

巨大企業。

こちらも、先日3代目の社長が就任し、話題に。と仮定します。

これらは、中身(学生や社員)は常に入れ替わっていくものです。維持は不可能ですよね。

しかも、後者は社長まで変わっています。元の形はありません。

頭が文字通りすげ変わっているのですから。

しかし、その大学や会社を目指す人にとっては、基本的に目標として変わっていないのです。

この様に、人間の細胞と同じく、常に新陳代謝を続けるこれらは、中身を見た時に、果たして過去のものと同じでしょうか?

【スワンプマン】思考実験として

スワンプマンという有名な思考実験があります。

これも、同一性を考えるものですね。

ある時沼に近づいた男が不運にも雷に打たれ死んでしまいます。

しかし、その直後に沼に落ちた雷は沼に化学反応を引き落とし、死んだ男とまったく同質で、記憶も同じ個体を生み出してしまうのです。

そして、沼から誕生したスワンプマンは、自分が元泥とも知らずに、死んだ男の記憶を引き継ぎ、その後の生活をおくるという物。

元々は沼の汚泥であるが、原始レベルで同じ、記憶の引き継ぎも同じなら本人と言えるのか。

さて、これとまったく同じような話がネットでも話題になりました。

どこでもドアの怖い話

これはどこまでもドア

ネット上の創作には、有名などこでもドアの裏はこうなのではないか。

とするものがあります。

思考実験(2)どこでもドア

内容はほぼスワンプマンと同一ですが…。

利用者はどこでもドアをくぐる時にデータをスキャンされます。

スキャンされたデータを元に、ドアは移動先の方に、利用者本人と同質(同じ記憶、同じ肉体)の物を生成します。

先程上げたスワンプマンですね。
同質の何か、です。

その後、ドアをくぐった利用者が無残に消去され、ドアの先に出現した利用者と同質のものが、利用者としてこの先を生活していくという物。


利用者はドアの機能によって無残に消去される前に、ドアの機能によって作られたドアの向こうにいる自分ではない何かは、はっきりニセモノだという結論にたどり着くのです

しかし既に利用者と同質の新しい何か誕生している為に、不要となった本人はドアのシステムによって消されてしまいます。

この利用者本人、苦悶の表情で消去される直前まで、どこでもドアのこのシステムはおかしいと唱えています。

もちろん、その叫びはどこでもドアの亜空間から、誰にも届くことはありませんが…。

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ジョン・サールによる回答

ジョン・ロジャーズ・サールはアメリカの哲学者。

言語学や心の哲学を専門としています。

かれはテセウスの船に対する見解の中で、『船とは機能』である。

という事を述べています。

船は機能を呼ぶので、それが修復ですっかり入れ替わってしまっても、同じ船であることに疑いは無いという事です。

また、船に使われていたオリジナルの板のみを組み合わせて、新たな船を建造したとする(ただしその船は材料が古いため機能が劣る)。この場合、どちらがテセウスの船であるかと問うのは間違いであり、どちらがテセウスの船であるかは「私たち次第」だという。

引用元:心の哲学まとめwiki

本質は捉える方の問題であるというのは、心の哲学を扱った本では結構頻出する内容です。

課題の分離ではこうしたことを特に語っていて、問題の本質と捉え方はとにかく分離して考えるべきだと述べています。

自分たちは同一性に何を重視しているか

これらの思考実験の例には、残念ながら答えがありません。

我々が見ている課題は、自分はどこまでそれらを同一のものと思えるのだろうか、という思想と思考の整理整頓なのです。

この内容を初めて見たあなたも、久しぶりに目にしたあなたも。

「自分とは? 他人とは? 同じとは?」

と少し考えてみるのも面白いかもしれませんね。

闇の人格
闇の人格

脳細胞すら入れ替わるのに、私って結局何なのかしら

はむらいと
はむらいと

あんまり気にしない方が良いよ
というわけで今回は思考実験として
幾つかの要件を紹介しました

ちなみに私は、入れ替わっても

生物なら同一。

物の修復ならAがA´になる様なものかなと思ってます。

物にも魂が宿るんですかね? 多分そんなことを基準に見ているんだと思います。

あなたの中ではどうですか?

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