人工脳、脳オルガノイドに関する話題が少し増えてきたので、今回はその特集を組みたいと思います。
先日News weekに掲載された内容がこちらです。
カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは2019年8月、「脳オルカノイドからヒトの未熟児と類似した脳波を検出した」との研究結果を発表している。
引用元: News week
2019年8月には既に微弱な脳波が検出されていたと。
これ自体は、
「脳みそ作ってんだから当然じゃね?」
と言われる気がしないでもないですが、『意識を持つ可能性がある』という事に触れられているので、そろそろ倫理観的にどうなの?って懸念が出てきたって事ですね。
全部の臓器を個別に作って最後に組み合わせたら
人間になるのかしら?
それはブラック・ジャックでやってたやろ
人工臓器ってとこ以外は発想がピノコやん…。
培養された脳 【脳オルガノイド】意識と人工臓器
そもそもオルガノイドとは?
オルガノイド(organoid)は、3次元的に試験管内 (in vitro) でつくられた臓器である。オルガノイドは、拡大しても本物そっくりの解剖学的構造を示し、実際の臓器よりも小型で、単純である。これらは、組織の細胞、ES細胞またはiPS細胞から、自己複製能力および分化能力で、3次元的な培養で、自己組織化により形成される。
引用元:wikipedia wiki内の単語リンクも残してあります。
よく言われる万能細胞を、ある種の刺激を与える事により意図した臓器に成長させていくもの。
と捉えていいと思います。
単細胞生物を培養してそれを増やすのとは根本的に違いますが。
増やすという実験・変質を目指すという実験は結局こういったところに行きつくんですよね。
ここまでの実験と得られた事
2017年のハーバード大学の研究発表により、脳オルガノイドの運用例で大脳皮質ニューロンや網膜細胞など組織を発達させる可能性がある事が発表される。
2018年ソーク研究所のチームが、人の脳オルガノイドをマウスに移植したところシナプス同士の結合が見られた。
2019年秋ごろまでは基本的に、脳のネットワークに模した培養液の中での活動を観察している。
恐らく『意識の様なものは無い』→『未熟児っぽい脳波が…』という変遷。
しかし、オルガノイドの発達はここで止まってしまうという。
研究チームは、より基本的な問題も解明したいとしている。ムオトリ氏によると、脳オルガノイドの発達は約9~10か月で止まるが、その理由がまだ明らかになっていないのだという。 「この理由を知りたい。内部への栄養物の供給を可能にする血管新生系がないからなのか、それとも(感覚入力の形での)刺激が単に欠けているだけなのか」──ムオトリ氏は両方の仮説を検証したいとしている。
引用元:DG Lab haus
一定以上成長が見込めないのであれば、そこに意識介在はまだ来ないのだろうか。
元々こういった医療モデルの目的は、疾患や劣化の過程を見たり仮説を検証したりするためのモノ。
マウスの投薬実験とかがまさにそうですよね。人間に投与する前に、哺乳類で新薬を試してみる。
ちなみに、マウスの脳細胞・シナプスの結合の処でパラセクトが思い出された。
脳細胞の移植結合って結局こういう事だと思ってる。
— はむらいと🐰連続更新180日の人の皮を被るうさぎブロガー🐰 (@hamwrite30) October 26, 2019
昨日職場で、
「どうしてパラセクトって目が白いんですか?」
って聞かれたから
🐰「パラセクトは幼少期(パラス)の時期はいしきがあるんですけど、成長(進化)してパラセクトになるとキノコに乗っ取られるんですよ、公式な設定で」
と説明した pic.twitter.com/yqrlZTb8ML
魂は何処から来るの? という疑問が湧く
『赤ちゃんはどこからくるの?』
みたいな話ですが、魂ってどこから来るんでしょうね。
「それを考えるにはまず魂の定義から」
とか
「そもそもクオリアとは」
とか言い始めそうですが。
今回は『意識』を『魂』と捉えますが、子供が誕生したらもう『意識』は存在しているんですよね。
そうすると我々は、基本的には魂を一個ずつ一個ずつ増やせる能力を与えられているわけです。
では脳オルガノイドにも『意識』があった場合、魂も増えてんのか?
という事に。
現在のモデルでは『意識はなさそう』から『もしかして意識ある?』くらいになってきたので、定義によっては、
「ついに魂作っちまったか」
という処まで来てしまいましたね。
『意識』や『魂』を今後どう定義していくかは不明ですが、人工脳の開発は倫理観的には『子づくり』の位置に執着するのか、背徳的だと言って中止になるのか。
そういったところにも注目していきたいです。
「脳オルカノイドなど、幹細胞による器官培養の倫理基準を定めるうえで、まずは『意識』を定義するためのフレームワークを早急に策定する必要がある」と説いた。
引用元: News week
この様にやはり、『意識』の定義付けが早急に必要だとの警鐘も鳴らされています。
そりゃそうだ。
意識があって生体活動をしていたら、人によっては『生命』と捉えるだろうし。
私もそう思います。
結局人工的に命を作るところまで、研究は進んでしまうわけですよね。
ロボットとの違いは 体のスペアは
AIのネットワーク的な設計と違うのは、やはり生命活動を介した物であるという事でしょうか。
ロボットは生命維持活動という概念を与えるのが難しいと思いますが、オルガノイドとして生成された脳みそに、循環機能を与えてやれば、それはもう『脳だけの生物』と言える気がします。
そういった観点から『倫理観』の懸念が生まれてくるわけですね。
よく漫画などの創作作品などで、脳だけ生き残った場合、脳細胞の情報から培養して新しい体を作れば、移植して生き返れるのでは。
みたいな展開を見ます。
しかしその時、体の素体となる方にも簡易的な脳みそが必要なわけで、移植前に『意識』を持ってしまったら、登場人物たちはどうするんでしょうかね…?
考えすぎると、闇落ちしちゃうので、【想像上の問題提起】はこの位にしましょうか。
今後の展開に希望するもの
本人のコピー臓器を作るくらいなら倫理観的にもOKというのが、マジョリティになると思っています。
逆に「脳だけは止めた方が」といった意見も出てくると理解できますし、そこもそういうながれになるだろうなぁとは思います。
僕としては、さっさと本人の細胞を使った歯を作って欲しいのですが。
歯の種子の様なものを作ってる実験もあった筈なんで、どこかで特集汲まれたら記事にしたいですねぇ。
なんで歯だけ再生しないんだよ、成人は。消耗品なのに。
ってずっと思ってますもん。
生活の上で、欠損して再生したい箇所、というのは医療上の話としては当然ある筈なので、実用が進んだ時に、まず僕が望んでいる歯の再生技術とか、
自分の健康な皮膚を作って張り替えて火傷を治すことなどができれば、いいなぁと思っています。
これが転用されて究極のアンチエイジングになるのかしら?
テセウスの船だねぇ…。
まぁ、脳細胞すらも入れ替わるっていうから、生物自体が結局そういう設計なんだろうけど。
コメント