人間は、1日経つと66%の事を忘れ、34%程度しか定着しない。
違うよ?
この1日後に66%を忘れるという解釈が、誤解だって知っていましたか?
結構な人が誰かから聞いた内容をそのまま発信してますけど。ダメですからね?
あれは忘却曲線という名前ですが、忘却の割合そのもではないです。
えっ、結構な人がどや顔で
1時間後には半分以上忘れるって言って…
日本語じゃない理論を持ってきたり
伝言ゲームになったり
あるいはTVの間違った報道であったり
間違った情報や誤解がそのまま一般に定着するのはよくある事…。
発信元の信憑性よりも、自分で物事を調べましょう。
発信元が何であれ信じてしまうヤバい心理効果はこちら。
エビングハウスの忘却曲線の誤解 【節約率】
忘却曲線とは、19世紀ドイツの心理学者のヘルマン・エビングハウスが採り行った。
記憶定着に関する実験の結果を表したグラフ。
世の中には大きな誤解と共に定着しています。
エビングハウスの忘却曲線は下記のような図が一般的とされています。
引用元;wikipedia
The Forgetting Curveなのでまんま忘却曲線なのですが、これが表しているのは記憶の消去的な話ではありません。
【節約率】です。
節約率…忘れるパーセンテージとか
覚えてるパーセンテージじゃないんだ
節約率って何?
初めて聞く単語が出てきましたね【節約率】。
これが忘却曲線の、まさに曲解とも言える誤解の原因です。もう一度図を見てみましょう。
引用元;wikipedia
この赤い線の部分を忘却の比率だと勘違いしている解説がとても多いのですが、エビングハウスが表しているこの線は先ほどから出てくる【節約率】なのです。
節約率というのは、忘却に対して再度勉強し直す時の労力的な効率を表した数値。
簡単に言うと、記憶の再定着に対する効率。です。
( 節約率)=(節約された時間または回数)÷(最初に要した時間または回数)
引用元:wikipedia
(節約された時間または回数)=(最初に要した時間または回数)-(覚え直すのに要した時間または回数)
あなたがある学習に10分かけた場合、翌日同じ項目の学習にかかった時間は7分弱だとする。
この場合節約された時間はおおよそ3分強であり、節約率は0.3~0.34となる≒34%。
100回の書き取りで覚えた英単語。翌日70回の書き取りで再度覚えたとすると、節約回数が30回となり、この節約率は30%となる。
この節約率はもちろん高いほど優秀で、時間が進むほど劣化する。
これがエビングハウスの忘却曲線が唱える【節約率】です。
これを数値のまんま、記憶定着の比率だと勘違いして流している人がとても多いのが、今回主題に挙げた【エビングハウスの忘却曲線の誤解】というわけですね。
ちなみに、ここまで読むとお気付きかもしれませんが、このグラフ記憶の量を表しているわけではありません。
あくまで覚え直すまでの効率を表しているのです。
1日後に記憶の残存量が34%の前後に留まっているかどうかすら、この曲線では提唱されていないのです。
間違ってる解釈を載っけておく
エビングハウスの忘却曲線で、よく見る間違いを載せておきます。
・20分後には42%を忘れる
・1時間後には56%を忘れる
・9時間後には64%を忘れる
・1日後には67%を忘れる
・2日後には72%を忘れる
・6日後には75%を忘れる
・31日後には79%を忘れる
何度も言いますがこの言い方は誤解です
数字は情報元によって誤差があります。
また、これらは無意味な文字列に対する記憶定着の数値を可視化したもので、勿論個人差はありますし、ちゃんとした単語であればもっと内容は良くなります。
また、ここから復習タイミングについて最適な日取り。
というのもよく言われています。
それが下記です。
・1日後に復習する
・3日後に復習する
・7日後に 復習する
・30日後に 復習する
・90日後に 復習する
これは復習のやり方としては間違ってはいないのでしょうが、そもそも前段のエビングハウスの忘却曲線と並べて説明すること自体が、違うという話ですね。
車と馬とラクダを並べて運搬効率だ、早さだ。
と議論している様なものです。
それらとは全く別のお話です。
というか、本当にこの率で忘却してたら、新居へ引っ越した際の道順とか、新しいお料理レシピとか絶対に覚えられなくない…?
忘却曲線が定期的に話題にあがる 自分の目で調べる
忘却曲線が定期的にTwitterで話題にあがるんですよ。
勉強効率の記事に結び付けたり。
数字で示せるから根拠が高そうに見えて、エンゲージメント率が高かったりと。
理由は様々でしょうが、ここまで語ってきたように、誤解の引用で満ちている気がします。
気になった人はこのリンクから辿ってみて下さい、Twitterの忘却曲線の検索リンクです。
やっぱまた聞きはダメですね、調べないと。
もしかしたらこの記事も俗説で間違っているかも?
というのはビクビクしながら書いていますよ。
情報化社会と言いつつ弱者はいつまでも弱者なのはきっと…
はいはいそこまでよ
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