2021年夏から特にニュースでも騒がれている世界的な半導体不足のニュース。
NINTENDOも11月2日付のニュースでSWITCHの減産を発表し話題になっています。
販売台数減少により、今季の目標出荷台数も割る見込みとの見方も出ていますね。
先日日経平均の構成銘柄に組み入れられたばかりですが、下落トレンドに入っていてニュースが報じられた2日も14時過ぎ辺りから更に投げ売りが入り、同日の引けで50000円を割り込んでいます。
色々なところに影響を与える半導体不足ですが、そもそも半導体とは何でしょうか?
何故不足しているのでしょうか?
簡単に解説していきます。
半導体とは
半導体とは、温度などの状況やその他の環境・状況・条件により電気を通す様になる物質の事。
一定の電気的性質を備える物質。と表現されます。
カーボンやゲルマニウム、シリコンなどが半導体となります。
導体でも絶縁体でもない電気抵抗値が中間のものと考えるとわかりやすいです。
導体は電気を通す物質、絶縁体とは電気をほぼ通さない物質でゴムやガラスが有名です。小学校の理科で習いますね。
上で述べた様に半導体は温度で電気を通す量が変化するほか、化合物質との割合によっても変化する為、電化製品の制御に欠かせません。
イマイチなじみが無いと思われがちですが、半導体のイメージをGoogle検査するとこんな感じ。
PCを掃除の為に分解するとよく見る『アレ』ですね。非常に身近です。
CPUや温度センサーだけではなくLED電球などにも入っており、基本的にデジタル家電と呼ばれる物には半導体が使われていると思っていいでしょう。
こうして考えると本当に身近な物です。
騒がれる半導体不足
ゲームなどの家電だけでなく、大型のものでは自動車などにも使われる半導体。
何故不足しているのでしょうか?
実はこの半導体不足が深刻だと騒がれる1年も前から、不足だということ自体は分かっていたのです。
まず、2020年の生活様式について何が変わっていたのでしょうか?
そう、コロナを皮切りにした在宅ワークが増えたことです。
出勤日が少なくなり、在宅ワーク需要が世界中で拡大する一方で問題が発生します。
在宅ワークに必須なパソコンも半導体を使っているからです。実はコロナ需要になる前から高性能電化製品の加速的な普及により、徐々に半導体不足は顕著になってきたのですがいわゆる巣ごもりでそれがさらに加速。
結果的に生産→出荷を繰り返すところに原材料が足りないという供給バランスの崩れが起きてしまったのです。
トヨタ自動車も実は減産を発表しており、それは自動車需要そのものよりも半導体不足による影響のことでした。
半導体自体は当然半導体生産工場が行うものですが、世間の需給増→メーカーの増産→半導体製造への依頼増加とどんどん増えていき、生産はフル稼働な物の出荷が追い付かないという状況に陥っています。
また、2021年にアメリカや台湾の半導体製造工場を襲った災害や水不足の背景もあり、一部のメーカーでは供給をストップせざるを得ない状況もありました。
業界的には、受注は来るけど工場を増やす体力はなかなか無い。しかしドンドン受注が来る。といった状況です。
また、貨物などの回転不足状況も一因にあると言われています。
半導体の様な積荷は多く運ぶために海運会社が多くの積荷と共に運びます。
しかしコロナの影響で、荷下ろしの人員が不足していたり、また途中ではそもそも中国の港から出られない時期があったりと、流通その物がおかしくないっている時期がありました。
とくに荷下ろしの人員不足は2021年の夏場を過ぎても深刻で、下手をすると港で1カ月以上停泊している船もあると言われるほどです。
その為、海運貨物の値段が急激に高騰しており海運会社は近年まれに見る業績高を付ける一方で、全ての流通が鈍化するという現象も起きています。
不足解消には増産?
半導体が不足するならば生産ラインを増やせばいいとの声もありますが、半導体製造の工場というのは小規模でも数百億。
大きいものでは1兆円規模の投資が必要とされ、メーカー側も増産・増築が厳しい状況にあります。
我々の生活に響いてくるのは、自動車の納車遅れや家電製品の高騰。
冒頭紹介したゲーム機器などの供給不足など、既に身近な物になっています。
次々高スペックになり、前世代の物は安価になるという事が2010年代は続いていたPC周辺機器も、そうならなくなっており家電量販店でもちょっと前の感覚より「高いな」と感じることも増えてきました。
一説には2022年2月頃、世界的な不足は解消に向かうとの見解もありましたがそれもどこまで正しいかはわかりません。
我々にできることは既存の家電を丁寧に扱ったりむやみに者を消費しない様にすることかもしれません。
とはいえ、消費が鈍化するとメーカーが来季の生産に対して不安を抱くようになる為、半導体メーカーへの依頼が減ってしまった場合、これまた最終的に需要供給のバランスがおかしくなることも目に見えています。
結構、危うい供給バランスの元世界は出来ているなと身近に感じさせるニュースですので、今後も動向に注目です。
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