2020年4月20日の報道で、はんこ文化にメスを入れる事に、日本政府が本腰になったと報道されました。
総務省はこの日の有識者会議で、民間などの企業間でやりとりする請求書などの書類が、正当な物だと証明する為の認定制度の運用を2022年度から始める計画を定時。
発端は新型コロナウィルスに対する対策で打ち出されたテレワークの推進によるもの。
実際に、会社に出勤せず電子発行した書類(PDF形式等)で請求を済ませる会社が増えて生きています。
普段なら直接印刷して郵送をさせていた企業についても、この月は受け入れる企業が多かったことでしょう。
現場としてはかなり助かりました。
その仕組みにようやく本腰を入れたというのが今回の報道です。
あンたも自粛期間中ハンコの為に出社したいって……
言っとる
というかデスクに荷物溜まってないか心配
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はんこ文化とは
印章、あるいは印鑑。
はんこ自体は紀元前から存在しており、日本に伝わってきたのもおおよそ二千年前だという説があります。
急速に普及したのは大化の改新意向で、歴史上の書類や手紙でもたびたび印鑑めいたものが登場しますよね。
社内文書が電子化されている昨今でも、出力してはんこを押して郵送で。
という事が多くありました。
押印する文化は「面倒だから重みがある」「手掘りだから複製不可能」といった様な偽造に強いといった側面がありました。
割り印などその典型で、2つの複製書類に対してずらせて押す為、物理的なコピーが困難な事が絶対的な本物の証明になると信じられてきました。
しかし、電子印による認証が進められてしまえば、その割り印すら必要が無くなります。
棚の奥に無限に仕舞われていく書類の山が、PDFデータで済む時代がようやく総務省公認でそこまで来ているのです。
【eシール】印鑑の代わり
今回議論の中心になるのが『eシール-Electronic seal-』と呼ばれるもの。
「eシール(組織名の電子証明書):電子データを発行した組織として、組織の正当性を確認できる仕組み」
引用元:SEIKO
eシールの定義がなされれば、電子印が歩人の基に発行されたものとして正式に認められ、社印の電子版という事で、見積もり書や請求書の発行スピードがグンと上がります。
神の消費も減り、コピー機の出力も少なくなり、インクも無くなり、郵送料も無くなり、時間も浮くと。
経理にとっては大助かりですね。
ちなみに電子印にはE-STAMPなどの決済サービスもあり、こちらも書類発行や電子印の証明としての精度が高い事を売りにシステムを打ち出しています。
政府の取り組み
何かとIT業界参入に立ち遅れている日本ですが、伝統を重んじる文化が強く、現状維持の認識が強い。
また、お役人文化や横のつながりが多いのでいつまでも新しい物が執行されていないのではという懸念もあります。
実は2019年5月に成立された『デジタル手続き法』に法人設立時の印鑑登録の義務を廃止する動きがありましたが、はんこ業界側が反発してこの実印無くてもイイやというのは廃止になっていました。
法務省はこれらの手続きを2020年に自由化する方針を打ち出していましたが、この後どうなるやら……といった流れに。
時のIT担当である竹本大臣は日本の印章制度・文化を守る議員連盟会長としての顔も持っていますが、実は電子印とはんこ文化の両立を目指し法案整備を進めていたということです。
キリトリ報道などで批判も多い方ですが、こういった政策も進めているのですね。
さらに遡ると1997年に『押印見直しガイドライン』と呼ばれるものがありました。
この時も業界の猛反発に合い陳情が相次いだ為電子化を進めることができませんでした。
こういった改革で、何かを無くそうとすると必ず関わっている人たちが憂き目にあうので猛烈な反発が出ます。
大昔は「ボイラーの資格さえ持っていれば食いっぱぐれる事が無い」とまで言われましたが、ボイラー技士の資格はその大きな需要が自然消滅してしまいましたよね。
こうして時代が移り変わっていくのです。
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あらゆるものの電子化と遠隔による仕事
デスクワークが主。
パソコンが主たる道具だった人たちには、その働き方や本当に必要な物だったのか?という慣習が新型コロナウィルス(COVID-19)によって炙り出されてきました。
文化として定着していたものが、新しい物へと移り変わっていくその分水嶺に我々は経っているのです。
また、自宅勤務という非常時対応をしたおかげで、いわゆる『社内ニート』の炙り出しも進んでいるところがあり、身近なところから改革が起きていることを感じる方も多い筈です。
IT業界に限らず、パソコンを使った業務が主となっている人は、次の動きを見ていかないと職を失う手前まで来ています。
その第一波がはんこの電子化かも知れません。
明日は我が身と思い。次の学習を怠らないようにしましょう。
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