完全習得学習の理論とは 基本的な考え方とデメリットを解説!

仕事・人間関係

今回は基礎をマスターさせてからステップを踏む、完全習得学習
Mastery Learning(マスタリーラーニング)

についてのお話です。厨二病感満載でかっこいい名称ですね。

学習方法というのは、分野によって『そうした方が良い物』、『その学習方法が適切でないもの』が分かれてきます。

ただ、基礎学習が絶対的に必要な物にあたった場合、完全習得学習は効果を発揮します。

例えば、総務の部署で絶対扱うエクセル操作であったり。
職人の作業に必要な手順であったり。

なんとなく、で進められない部分の物です。
今回は完全習得学習と呼ばれるものについて、基本的な考え方を書いていきます。

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完全習得学習の理論とは 基本的な考え方とデメリットを解説!

完全習得学習のはじまり

この理論は1968年、アメリカの教育心理学者ベンジャミン・S・ブルームによって提唱された、教育概念・教育哲学となります。

「出来不出来の差は、学習者個人の資質によるものではなく、学習に必要な時間をかけなかったことによる」

引用元:コトバンク

この考え方は、学習効率の差はあれど、時間をかける事によって全ての子が同じ水準に達するのではないかという事を言っています。

例えば数学が得意な子が学習スピード2.0
不得意な子が学習スピードが0.5
だとしても、4倍の時間を掛ければ同じ習熟度に追いつくという事です。

当然この様に、特に教室を使った1人の教師から複数の生徒に対して行われる、授業形式のやり方では「デキる子」「デキない子」の差が出てきますよね。

この差を埋める為、学習過程においてその単元を把握できない者については、補充の学習を行い、できる様になってから次の単元に進む、というのがこの学習のやり方になります。
この補充の部分が、先の4倍の部分にあたります。

例えば、再テストや居残り補習、宿題などがこれにあたりますね。

ある生徒が分数の足し算で詰まったら、その生徒の学習工程としては分数の引き算をまだ教えずに、分数の足し算のやり方を教え続ける。
といった感じです。

勿論工程をここまで細かく区切る必要が無い場合は、足し算も引き算も同時に教えてしまえばいいです。
線引きはジャンルによって変えるのが一般的です。

完全習得学習のやり方

提案者のブルームは、それより以前から存在したキャロルの時間モデル。
よりこの着想を得ました。

キャロルの時間モデルは学校で授業を受ける子供たちでも、成功失敗の優劣が出てくるのはなぜか?という処から始まり、
優れた成績を収めた者に対し、時間を適切に投入しなかったことに問題があると考えました。

それぞれの子供に、教科毎に学習に合わせた適切な時間がある。という考え方です。

そしてマスタリーラーニングはこれを基にしているというわけですね。
以下要点です。

  1. その学習単元において達成されるべき目標群を明らかにすること
  2. すべての子どもたちが達成すべき最低到達基準(マスタリー基準)を定めること
  3. 各目標のどれがすでに達成され、どれが未達成であるかを明らかにし得る形成的テストを作成し、使用すること
  4. 各目標が未達成である場合に与えるべき教材や治療的指導について準備し、形成的テストの結果が明らかになった各学習者の課題達成状況に応じてそれを与えること

引用元;基盤的教育論

項目に合格点を設け、そこに到達しない子には再テストで学習を行うというシンプルな物です。
現在の学校でも行われていますよね。

それがマスタリーラーニングになっているのかは別として。

マスタリーラーニングのデメリット

時間とお金がものすごくかかる…。

この手法のデメリットは、まず個人個人についてプログラムを設定しなければいけない点です。
つまり、時間的=人的コスト。

さらに、全体学習の足並みがそろわない事にあります。
即ち、順調に習得する者と遅れる者の違いです。

小学校中学校などの集団学習や新人研修などでやられる様に、多くの学習方法は、集団に対しての一定の習得を期待して行うものですが、効果以上に期間を優先して設定します。

全ての子供たちへ、一定水準以上の学力を植え付けるという点では非常に崇高な理論ですが、もし、平均より水準の低い子が出てしまった時にそのリカバリーの為の学習計画が必要不可欠なので、その設計を作るのに時間を要してしまいます。

ここが、人的コストがかかるという要因です。

現代にある学習塾の流れで、こういった個人の能力に合わせて徹底指導するという、55段階制や、1対1完全個別指導などは、この流れを汲んでいる学習法と言えますね。

また、この方法はあくまで一般的に習得可能な学習にしか使えないという事。

例えば、プロスポーツ選手になりたいから基礎訓練を頑張る。
といった特殊な学習状況においては、才能の差異がはっきり出てしまい、習熟速度が座学以上に困難になったり、差が出てしまう為使えない点にあります。

スポーツで言うチーム力を上げる為にはもちろん使えますが、個人の特殊なスキル習得にはいささか不向きです。

教育目標と到達地点の設定が大事

この学習方法は何にでも充てるべきものではなく、その成果地点の設定が大事です。

この基準をクリアーできる集団を育成する。
という目標において、必要な学習方法となります。

例えば、一定水準のプログラマーを一定数揃える。
といったような感じです。

また、全体の足並みが整い辛くなるのは前提として常に考えておいてください。
『完全』が常に必要かどうかは、場面によって変わります。

学習コストと効率の割合は常に意識されなければ、ただの自己満になってしまいますからね。

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