フリーランスって。
時間の縛りが無くって、好きなだけ創作活動に打ち込めて。
睡眠が自由にとれて。
案件の良し悪しを判断しながら選んで受けることができる。
そんな風に考えていませんか?
いや、それ真っ赤な嘘ですよ。
営業も経理もデザインも企画もコードも。
仕事を引き受けちゃったら、全部自分で手配することになるんですよね。
仕事時間は確かに縛られなくなりますが、仕事の種類と量は確実に増えます。
『フリー』=『簡単』ではないよ。
そんな記事です。
世の中そんなに、甘いわけがないのです。
仕事の種類がとても多くなる
フリーランスになろうと簡単に思われる人の中で忘れられているのがこれです。
『全て自分でやらなければならないという現実』
これは今まで会社仕事しかしてこなかった人は勿論のことなのですが、それだけではなく誰もが苦手になりうる要素を持っています。
- 営業
- 企画
- 制作
- 実装
- 経理
大まかに言っても、最低この程度を一人でこなす。
もしくは伝手でこの労働力を用意できる必要があり、営業+経理に至ってはフリーランスでやっていく上で必須のスキルとなります。
「自分はデザインしかできないから」
などと言うのはとても無理です。
まず営業しないと仕事が入ってきません。
「申告関係解らないからとりあえず放置でいいや」
経理的業務を行わなければ、請求も粗利のカウントもままなりません。
はたまた脱税で追徴課税を忘れたころに言われるかも。
そういった通常企業では業務として分担されている事が、一人の場合は全てあなたにのしかかってくるのです。
いくら能力に優れていると言っても、実作業以外の労働が発生し続けたら普通の人間では持たないことは明白でしょう。
フリーランスは働く時間が自由などと簡単に言われます。
少なくとも、海外飛び回りキラキラ系アカウントなどはこれを口実に、フリーになれと謎のお誘いをしてきます。
しかし実態は、常に何かの業務をこなさなければいけない。
意図的に休日を作らなければ全てやらなければいけないという。
24時間365日心の休まる時間の無い状況となります。
いつも何か仕事に関することに追われているのです。
恐らく、簡単にフリーランスになりたいという願望の人は会社仕事が合わないから。
というのが大きな理由となっている事でしょう。
単純に会社仕事より時間的に厳しくなりますが、それでもやりますか?
クライアントはフリーランスをエスパーだと思っている
フリーランスで厳しい事はまだまだたくさんあります。
例えばクライアントからの要望のヒアリングです。
「まだ中身が決まっていないのですが」
「うまく言えないのですが」
「なんとなくこうじゃないかと」
といったような切り出しから始まり。
結局「全てお任せします」になってしまうパターンが結構あります。
勿論ハナからお任せというパターンもあると思いますが。
とにかく、特に思われているのが「プロなんだから全てお任せで大丈夫」という事です。
あなたは、相手の想定しうるすべての業務をこなすことができるでしょうか?
当然ですが、クライアントの頭の中の要望を100%吸い出すことは不可能です。
自分の頭の中の要望って必ずしもすべて吸い出せるわけではないですよね。
他人ならなおさらです。
ではどうでしょう?
自分の想定外の仕様が残っていたら。
どうでしょう、相手が納品直前で致命的な指摘をしてきたら。
そもそもクライアントが言葉の意味をはき違えていて、要望とは違う物を納品してしまったら。
会社単位ならリカバリーが効く可能性があります。
個人対会社ではそれが成り立たない可能性もはらんでいるのです。
責任、一人で追い切れますか?
タダ働き以上に追い詰められるかもしれません。
発注が安定しない
フリーランスに対して契約はしているが発注が不定期、という企業は多々あると思います。
制作会社の側から見ても、手が全く足りない場合と手が余っている状況というのは波として訪れます。
IT系にも繁忙期というものがあり、発注が偏る事は非常に多いです。
その為フリーランスの方から見ると、定期的もしくは安定的に仕事が振って来るとは限らないのが実情です。
先月10万円の企業が4件あったから、今月も40万円の売り上げは堅いだろう。
とはいかないのが、フリーランスの売り上げだったりします。
そういった定期の支払い契約をしているならもちろん安定なのですが、仕事が来そうで来ないというのが一番やきもきします。
一番ヤバいのは、来ると思った仕事が来ずに、売り上げが安定しない事。
そしてその次が、被ってしまって泣く泣く断る事になる可能性がある事です。
断わると発注者側が次の相談をしにくいという心理が発生してしまう為、これも防げないマイナスとなってしまいます。
こういった発注の波や案件の安定性に欠けるところがフリーランスの辛い処です。
もちろんランサーズなどのサイトに登録していれば任意で案件が取れますが……。
決して単価は高くないのが現状です。
直案件ではないのでその分どうしても低くなってしまいます。
定期的な仕事を取っていても、突然切られるかもしれません。
フリーランスで収入を安定させるというのは、実は会社勤め並に強い契約の土台が必要なのです。
金銭感覚がずれている発注が多い
結構世の中にあるのが金額感がぶっ壊れてる発注です。
「ホームページ1個5万くらいでどうですか? 受けてくれませんか?」
「デザインと構成全て任せます。よくわからないんで。値段全部込み込みですよね?」
などなど。
何故か『相場のわからない人』が寄ってきがち。
どの仕事にも相場というのがありますが、こういう人達は1/10の値段位の物を平気で提示してきます。
しかもこちらの退路を断って。
立場が弱くならないよう、断るのが正解ですがそれすらできない場合は泣き寝入り案件の可能性があります。
金額、時間、その他の機会損失。
この辺が全てのしかかっていきます。
責任を一人で負うのは難しい。
余程の実力が無い限り、いきなりフリーランスになって全て順風満帆。
三ヶ月で月収80万超え。
等夢のまた夢です。
世の中には怪しいスクールビジネスや怪しい副業勧誘がわんさかあり、なぜかこぞってフリーを進めてくる場合が多いです。
1人でうまくいくなどと言う考えは特にここまでに紹介したような状況を打破できるイメージが付く人でないと、成り立ちません。
色が無くなっても、もしくは就職に失敗してもフリーで食いつなげる。
などという甘い幻想は切り捨てた方が無難だと断言しておきます。
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