仕事にならない 常識を壊されるクライアントとのやり取り【デザイン】

仕事術・自己研鑽

デザイナーを志している方。

あるいは、既にデザイナーとして活動されている方。

紙やWEBなどの違いはあれど、作る側は常に下流工程、クライアントの言う事は絶対という摩訶不思議な法則が、この世には働いています。

そういった環境によって、ハッキリ言って通常の対応ではとても補いきれないレベルの卓袱台をひっくり返される事例というのが、この世にはあります。

「そんなの、事前にこういった取り決めや協定を結べばいいじゃん!」

もしかしたらこういった意見もあるかもしれません。

しかしそれ以前のレベルの恐ろしい卓袱台返し案件は実際に存在するのです。

今回は気合いの入った、闇深いクライアント様の横暴さと認識のズレについて、例を挙げていきます。

フィクションですよ?

あくまでフィクション。

とにもかくにも、卓袱台返しはどの現場でも怖いものです。

闇の人格
闇の人格

♪dominus deus exaudi~

はむらいと
はむらいと

それは違うFiction…

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事前の書面による取り決めが無意味

契約

モンスタークライアント対策で一番、言われるのが「事前の取り決めで食い止めよう」という物。

勿論通常の立場であれば、お互いに書面を取り交わせば下手な事はしてきません。

というか、しないのが普通です。

しかし、世の中にはそれを軽々踏み越えてくる人たちが居るのです。

例えば、それは契約と違うからうちとしてはその対応に応じることはできない。

と修正なり、追加要望を抑える様に返答したとしましょう。

しかし、それらとは違う方向から訴えかけを行ってくるのです。

曰く「そういう意味だとは思ってないんだけど、今回は見逃してくれない?」

曰く「○○とは勝手が違う、今回だけ!スマナカッタ!」

曰く「デザインの指示は勝手が分からなくって」

つまり、自分の勘違いで申し訳ないが、と先に頭を下げてくることが多いです。

あえて弱い立場を演じることにより、人情に訴えかけてくるというわけ。

特にデザインに関しては、こういう時に「わからない」を盾にしてくる人が非常に多いです。

クリエイター側も、これに関しては理屈上これは突っぱねることができます。

しかし突っぱねた時に後々【何で困る】のか。

一番困るのは今突かれている人情とか立場とか、そういうことではありません。

ここまでかけた時間を無にされる可能性がある。

という事態を非常に恐れているのです。

そしてその心理を知ってか知らずか、一番まずいのがこういった交渉です。

「ここでつまるとお互い困るでしょ?」

クリエイターの立場で弱いのは本当にこれで、所謂コンコルド効果・サンクコストバイアスと呼ばれるものです。

つまり、途中までやってしまったから、放棄もできず。

かといってクライアントはやらせたい事や方針変更が多々あるので、そのクリエイターに無理を聞かせたい。

であれば、失った時間がもったいないでしょう交渉をするのが、非常に心理的に楽だというわけです。

やられている方はたまったものじゃないですけどね。

クライアントの常識がおかしい

義理

上級国民という言葉がありますが、それに近い状況がお仕事発注にもあります。

クライアントが、なんとなく「俺の言ってる事だし通るやろ?今まで通って来たし」感を出している事があります。

その【今までこれで通してきた】を疑いなく使ってくるから、強いんですよねぇ。

結局何かしら地位があっての振る舞いなのですが。

そんな人たちの背景がこれです。

  • 地元の名士である
  • 元○○議員
  • 誰々の息子・娘
  • 複数町内会を束ねる
  • 会社社長、もしくはその直轄案件
  • 超大手企業の肝いり案件

つまり、立場上無理も言えば通るのです。

こうなると、案件自体がロックされてしまい、クライアントの言う事が正義という前提になってしまいます。

立場的に逆らえないというか、逆らえない様に既に追い込まれているので。

でもこれ、やられている方からすると全部わがままを通す為の盾ではありませんよ?

それを笠に着て周りに無茶振りを振って30年40年人生を積み重ねましたか?

滑稽ですね。

そんな方がこの立場でもたまにいらっしゃいます。

あなたが凄いんじゃないんです、あなたを支えたあなたの周りが凄かったんです。

でも事実、個人デザイナーは勿論、小さい会社もそれに逆らう事は出来ないんです。

だから、風穴を開けることができず【大物は虚像の成功体験を積み上げ、更にふんぞり返ってしまいう】のです。

辛いんですよこれ。

断われない、逆らえない、取り決めが意味をなさない。

というコンボ。

強者は強者の仕事の進め方があるって言う感じですよね。

【やりがい】はただの押し付けに過ぎない

この【やりがい】を盾に交渉迫る【やりがいシールド型】って結構、地元の名士系と大会社の営業にありがちなんですが、理屈をすっ飛ばすやり方というか。

ストレートに【やりがい】は押し付けられる物じゃないんですよ。

やる方が、勝手に感じる物なんですよね。

それを押し付けてくる時点で「このお茶美味いやろ? お前さんの為に用意した云々……」ってレベルに、なんて答えてあげたら満足なのかわからない。

それ以前に、そもそもズレてないかってレベルなのですよ。

やりがい自体は素晴らしい事ですが、やりがいの押し付けはタダの害悪です。

クリエイターは確かにやりがいを糧に動く面がありますが、基本インキャなので押し付けられたやりがいはくそくらえ、そんなん知ったことかとなり逆効果です。

あと、ビッグプロジェクトに拘らないクリエイター、結構多いですよ。

どうせ私生活でも物を作っているのでね。

立場は対等を意識

平等

モンスタークライアント化しない為には、作り手と発注側の立場は対等であることを意識してください。

横暴が過ぎるのが通るのは一時だけです。

悪い噂はすぐに広まるし、その内相手をしてくれる人たちも居なくなります。

多少立場が弱くても逃げるべきだと思う現場が、今は増えているんです。

縦の圧力は末端の制作現場では逆に減ってきました。

だからこそ、強い立場の人間も、意味不明なお願いは最後の切り札に摂っておくべきなのです。

切り札を乱発してしまっては、信用貯金を失います。

信用貯金が底をついた瞬間に、周りが一斉に手を離せば、権力者と言えど沈まざるを得ません。

そういった力関係ではなく、対等な立場として仕事をしていきたいものです。

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