どの様な職場でも環境でも、人がある程度多く成れば指示待ち人間というのは発生します。
働きアリの法則の様な環境的な物に限らず、数を集めるとどうしても一定数発生してしまう問題です。
特に、大量に新人を雇い入れた時に起こりやすいケースだと考えられ、今回は何故指示待ち人間が発生するのか。
どんなケースで起こるのか。
そして改善に向けた取り組みを解説していこうと思います。
同じ様な悩みを持つ、中間管理職の方に活用して頂けると幸いです。
では早速見ていきましょう。
大量雇い入れで指示待ちが加速した?
新人または新卒を大量に雇い入れた時に妄想する素晴らしい成果は、もしかしたらこういったケースを前提にしているかもしれません。
新卒で組んだチームが一つの成果を上げた。
これを成功例とする。
はい、そうなるとイイのですが、実際には現場に新人が増えると指示待ちが増えるケースが多いと思っています。
このケースは上司の指示が届いていない、もしくは黙殺してしまっている事に対して、現場では『誰も何も動いていないから、何もしなくていいか』というある種の同調効果が生まれてしまうからです。
こういった同調作用でで、新人同士という共通項を持っている場合にさらなる無責任連帯感が生まれてしまうというわけ。
もちろんこんな現場ばかりではなく、アグレッシブな意志が強いチームや、世代も居るので、一概にこれだけとは言えません。
しかし、ケースとして指示待ちが発生しやすい要因であるという事は言えると考えられます。
新人同士をくっつけておくよりも、話して配置する方が育成効率が上がります。
逆に新人の多いチームを組ませてしまうのは、教育的にいいかは疑問となる点が多いのです。
紹介記事 自分たちの経験でつくりあげた「新卒チーム開発研修」
実は指示が見えていない? 危ないケース
さて、では実際に指示待ちというか、指示が見えていないかの如く杜撰な仕事となってしまったケースを見ていきたいと思います。
私も仕事中に、実は指示そのものが見えていないんじゃないかと疑うケースが多々ありました。
心をバッキバキに折りながら書いています。
チャットツールはダメ?
例えば、チャットツールで作業指示を出すとします。
チャットツールなので、時間と共にある程度流れていくのは道理です。
人数にもよりますが、ある程度のスクロール量が溜まってしまうと、人は本当に自分への指示をを確認することが無くなります。
こういった状態の時に「あの指示っていつできる?」というのは「見逃してました」や「一瞬だけ見たんですけど忘れてました」が多くなります。
これが非常に不味いのです。
チャットツールで指示を出して安心できるのは、項目ごと取りこぼしなく管理できる人向けという事ですね。
指示と管理シートが結びつかない
私は仕事上進捗管理のスプレッドシートを作る事があります。
自分から管理シートを用意する部下も居ます。
別にどっちが用意してもいいのですが、管理シートを用意する部下が、必ずしもセルフチェックができるとは限らないという事は知っておいてほしいです。
ガントチャートを意気揚々と用意し、チェック項目を作り、作業完了報告をしてくるが、自分で作った筈のガントチャートに対してすら穴だらけ。
というケースがありました。
さらに、その穴抜けを処理する為にチャットツール上で出していた指示と、ガントチャートの内容が結びつかないという事態も発生。
ガントの行数や番号を指定してもミスが続くことさえありました。
【画面が変わると話題が変わる】という認知になってしまう人が、一定数居ます。
根気よく訓練で確認動作を身に付けさせたいところです。
自分への指示だと思っていない?
実はこれが一番多いのではないかと疑われます。
相手に合図を送るメンション(To○○や@○○)を付けるか付けないかは、当然つけて指示を行った方が良いです。
ですが、メンションを実行しても見逃す人はいますし、メンションが付いていてもその指示が自分への物でないと思い込む人も居ます。
誰かが拾ってくれるだろうとか、私への指示ではないだろうとか。
指示を見かけた一瞬は思考を走らせるのですが、結局何処かで忘却してしまいます。
これが悪びれも無く。
なんとなく、情報にフタをしてしまうんケースです。
最終的には自分への指示だと思っていなかったという処で、情報の矛盾を解決します。
これが非常に多くて困り果てていました。
報告か返答を徹底させるしかない
こういった指示待ち→指示見えないが多発していた為、これを改善する取り組みを実行しています。
効果がありそうなのはやはり何かしらのルール化をして、強制力を働かせることです。
結局、作業報告か返答に対するルールを義務化するしかありません。
『報告』を『させる』のです。
いついつまでにやる、ここまでできる。
日々の報告時間の策定。
タスクの拾い直し時間の制定などなど。
ただし、それらのルールを守る事自体が目的化してしまうと、今度はまた別方向に無駄の塊になってしまう為、とにかくルールを増やせばいいというわけではありません。
あくまでも条件付けや、仕事の仕方のクセ付けの為にルール設定を行います。
進捗報告というのが、イヤイヤやるものではなく『全体への共有』『自分の一日のタスクの振り返り』だというのが身に付けば、指示待ち状態がおかしい事に気付き、自分からタスクを拾いに着たり、提案することができる様になる人材が育つようになります。
【携わっている仕事は自分の事として考える】を習慣づけることが、こういった指示待ちを無くしていく上で最も大事な精神ですね。
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