組織を破壊する可能性を持った、中間管理職を教えます。
それはどんな人物だと思いますか?
自分勝手な俺様上司? やる気の無い窓際上司?
そうですね、それらも確かに組織を破壊します。
しかし、ある時有能だったのに組織を破壊していしまう人も居るのです。
それは、オールマイティなプレイヤー上司です。
オールマイティなのにダメなの!?
まぁまぁ、そこに甘えちゃいけないって事さ
オールマイティにできるというと普通は良い方向を想像しますよね、ところが今回のケースは違うのです。
管理業務はオールマイティにできるに越したことはないのですが、現場仕事をこなしてしまうプレイヤー上司ではいけないのです。
全てをこなす人間には、会社がその人に依存し、周りもその人に依存してしまいます。
今回は、そんな組織を瓦解させる可能性を持った、有能なプレイヤー上司そして、元有能なプレイヤーの危険性について触れていきます。
プレイングマネジャーとは
プレイングマネジャーとは、現場で実力を発揮するエースの役割を持った人材。
かつ、マネジメントを行い組織の運用もする、いわばスーパーマンの事を指しています。
現場の能力と、上司としての能力、二種類の能力を同時に求められるため、非常にシビアな立ち位置にあり、それだけに有能な人材がこれらを担う事が多いです。
しかし、彼らは時として組織の崩壊を招いてしまうのです。
えっ?
優秀なのに…?
優秀だと言っても、限界値というのは必ずあるんだよ…。
それに…必ずしも有能だとは限らないしね…
属人化される仕事の危機
「 ○○さんが居ないと対応できない」
といったことが、エースを抱える現場ではよく言われます。
では、その○○さんが倒れた場合、居なくなってしまった場合はどうするのでしょうか。
当然、そういった場合の変わりの人はいません。
だってその想定の下に、組織構築をされていませんから。
しかし、会社は組織であり、看板であり、今までの実績によって成り立っています。
いつも同じようなクオリティを担保しなければいけません。
それには『誰か』に頼った組織形成ではなく
『誰でも』できることが一番大切なのです。
もちろんシステムの構築でも構いませんし、手法の構築でも構いません。
会社は、仕事として誰が現場についても同じクオリティを打ち出していくべきなのです。
だから、『誰かひとり』に紐づいた組織体制を作ってはいけません。
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プレイヤーからのマネジャーは目線が足りない
ダメプレイングマネジャーを生み出してしまった時、会社は危機に陥るかもしれません。
新米管理職は意思決定のボトルネック、とよく言われています。
それは、昇格した元プレイヤーの中間管理職が、マネジャーとしての能力を備えていないにもかかわらず、プレイヤー時代の自信を引きずっているから。
ピーターの法則にもある通り、人は組織に属する時、自分の力が発揮できない地位まで昇格を続けます。
会社は無益で無意味な昇格により弱体化します。
この時、マネジャーとしての能力が足りていないと、社内の仕事が鈍化します。
以下はその原因です。
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プレイヤーとしての価値や能力が捨てられない
プレイヤー時代に好成績を収めたから、という理由で管理職に昇格している人が多いんです。
とりわけ日本ではそうですよね。
しかしこれが多くの場合、企業の成長を阻害をしていると言われています。
何故でしょうか?
一つは先ほど触れたピーターの法則で、その人が無能のレッテルを貼られる地位まで昇格してしまうケース。
もう一つは、プレイヤー時代の自分のやり方が捨てられないケースです。
自分のやり方が捨てられないマネジャーは、部下を自分流に追い込み、仕事をさせようとします。
しかし、そのやり方で万人が万全な状態を作れるとは限らないわけです。
さらに、時には一切指導しないマネジャーも存在します。
教え方や、成長のさせ方、教育の重要性をわかっていないからです。
こういったやり方をしていては、組織は成長しませんよね。
全員が等しく力を発揮する為にも、個人に合わせた指導や、考え方が必要になってきます。
番外編
例えば、こういった弊害も取り除かねばなりません。会社全体の問題です。
プレイングマネジャーを兼務する管理職は、プレイヤー時代に比べて仕事が多くなったのに、個人の業績は伸ばさなきゃいけないという無理難題を与えられています。
つまり、余計な仕事が増えたのに、『立場が上がったんだから今までの仕事ももっと頑張れ』
というアリエナイ負担を強いられているわけです。
プレイヤー時代以上の能力と、それ以外の能力を同時に求められて、このままでは潰れていしまいます。
これでは、伸びる組織も伸びませんよね。
個人の能力の使い方というのは本当に大事です。
人心掌握+育成手腕が足りない
これはテクニックの話です。
上司として接する場面で、上司としてふるまえない。
仲間として接する場面で、仲間としてふるまえない。
部下の育成の仕方がわからない。
育成の仕方が自分が育った方法にすり替わってしまっている。
などなど。
一見頑張っているようで、まったくプラスになっていないケースも多々あります。
ケーススタディができていない
これは知識が足りないという事になりますが、多くの場合はマネジャーの疑似経験という物がありません。
昇格したその日から、「はいやって、業務効率化させて」では、どうすることもできませんよね。
プレイヤーの時代の業務と、マネジャーの業務は根本的に違います。
鉄則として、マネジャー自身が手を動かすのは非常に危険です。
この理由として挙げられる一番簡単な回答は、マネジャー自身が手を動かすと組織の判断が止まるから。
マネジャーというのは、極端に言えば『やる・やらない』の判断のみをするポジションです。
手の速さは求められていません。
ここの判断を受けそこなうと、組織全体の動きがおかしなことになります。
だって指示待ちの案件は想像以上に多いですからね。
だから、『決める人』が必要なのです。
会社のタスクは必ず引き継ぎ先を作る
会社で行われるタスクは、必ず引き継ぎ先を作りましょう。
属人化を排し、プレイングマネジャーのみが知っている業務をどんどん減らすのです。
大丈夫、誰かに仕事を奪われても、マネジャーには奪われない仕事があります。
それは、判断を下すこと。
実務はどんどん奪われてしまってください。
そして、実務で部下を甘やかすのではなく、知恵を貸し、判断する場面で判断をし、責任を被る事で部下を甘やかしてください。
僕も以前は、自分でホイホイと実務を手伝っていたのですが、これがとんでもなく効率が悪いのではと考え始めました。
だって、実務の最中でも質問が山の様にたまりますからね。
上司が何でもこなせるのは素晴らしい事ですが、上司が実務をしない状態こそ、労働の管理で最も効率的な手段の一つなのです。
そして部下のミスや遅延は、元プレイヤーの中間管理職が尻ぬぐいをしてあげられれば、鬼に金棒ですね。
中間管理職が何でもやる職場ではなく、それぞれの立場が適切な判断を下せる職場。
中間管理職がプレイヤーではなく、適切な判断を通達できる職場。
そういった物を理想としたいものです。
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