バカな子ほどかわいいとは? 我々の支配欲・承認欲求をくすぐる心理

心理学・人間関係

馬鹿な子ほど可愛いということわざがあります。

本当にそうでしょうか?

賢い子=能力の高い子の方がかわいく思えることは無いのでしょうか?

今回はバカな子ほどかわいいということわざについて、少し心理学を用いたりして掘っていこうと思います。

これ、人によってキッパリ分かれるんですよね。

「馬鹿な子ほどかわいい! 本当に好き!」というタイプ。

「いや、賢い方が良いでしょ」というタイプ。

どっちが正しいとかは無いです、が少なからず心理学的な作用がある筈なので、ちょっとだけ冷静に考えてみましょう。

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馬鹿な子ほど可愛いとは?

子供

まず、このことわざの意味を調べてみましょう。

親にとっては、賢い子より愚かな子のほうがふびんでかわいいということ。

引用:ことわざ辞典ONLINE

賢い子より愚かな子の方が不憫で可愛いとハッキリ書かれていますね。

不憫で可愛いってちょっとおかしい気もしますが。

不憫は憐れみや可哀相ということですから、憐れみを含んでいる方が可愛げがあるという事でしょうか。

うーん、難しい。

実際これは支配欲に少し関連するところがあります。

支配するという構造は、当然自分の方が相手よりも立場が上になりますから、優越感や地位的な安心感が生まれるわけです。

世の暴力を振るう人達なんかはモロそれになっていますが。

暴力など極端なところまでもっていかなかったとしても、支配欲は大なり小なり誰にでも存在して、その小さな世界での小さい欲求を満たしているわけです。

つまり、自分より劣っていると感じることで、安心をします。

逆に自分に劣等感を与えられず、立場が逆転することもなく安心して見ていられるというわけです。

ちなみにWeblioで翻訳した英語はこんな感じで出てきました。

a foolish child is more precious

「やっべぇ子には尊みがすごい」なのか。

まぁまぁ、さすが英語は面白いですね。

母性本能から来る?

子供

母性本の塔は、そのまま母が子を護る本能です。

種の保存をする為に、我が子に対して可愛いや愛しいなどの感情を表して、保全を図っていく物でもあります。

転じて、母性本能をくすぐられるとはそういった護りたい欲求をくすぐってくるということです。

例えば、見栄っ張りや強がりを幼い背伸びとして微笑ましく見守る。

例えば、かまってちゃんや駄メンズに何となく惹きつけられてしまうなど。

こういった、見守りやダメなところを護ろうとする本能に、バカな子というダメなイメージ要素が反応して、逆に愛しく感じてしまうという事が考えられます。

これを少し掘り返していくと、承認欲求という心理的作用にぶつかります。

人は承認欲求を満たされると気持ちいいと感じるので、バカな子の存在がその承認欲求を刺激すると本能的にわかっているのです。

人に頼る、頼られるというのは承認欲求を満たすことに深くかかわってくるので『お世話をする』というのはある意味承認欲求を満たす為の行為と言えます。

認知的不協和から来る?

子供

認知的不協和という心理的作用があります。

人は、自分の中で矛盾を抱えた時にイライラを感じます。

そのイライラを解消する為に、自分の中の答えを変えてしまうというものです。

認知的不協和についてはコチラで特集しています。

そう、この馬鹿な子ほどかわいいというのは、実は認知的不協和から来るのではないかと考えることもできます。

以下が考えられるバカな子ほどかわいいに関する認知的不協和解消のプロセスです。

  1. 自分に関係性のある『子』の世話をしている
  2. 『子』のミスや理解度の低い行動などによって周りに迷惑をかける
  3. その尻拭いをする私
  4. 尻拭いをするというのは通常不快感を得る
  5. ここで認知的不協和が働く
  6. 私はこの子に『コスト』を割いて尻拭いをしている
  7. それは正当な理由が無ければならない
  8. 何故なら、私はこの子が好きだから

これが認知的不協和による、バカな子を好きになる基本パターンです。

嫌いな子の為に時間を費やすのはおかしいので、自分はこの子に大きな好意を持っている、だからこの子に時間を使ったり尻拭いをするのは正しい。

そういう風に内容をすり替えてしまうのです。

心理学でこう宣言してしまうと、なんとも味気ないですね。

こういうのは全て、愛だと思ってたけど……。

なんて思ってしまう方が居るかも知れません。

心理学がすべてではないし、逆に表面上の愛だけが全てではないし、難しいところです。

ただ、心理的に『これは何故だろう?』と疑問を感じることは大切で、何とも言えない感情に包まれた時に、それが心理学で説明できてしまう事なのか、そうでないのかに少し思考を巡らせてみると面白いかもしれませんね。

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