痛ましい事件があった後で、迅速に法整備へ向かうという事で2件のニュースが飛び込んできました。
今回はその内容について少し考えていきたいと思います。
個人的には賛成は賛成なのですが、勿論問題点もあります。
まず、事の成り行きを引用します。
フジテレビの人気番組「テラスハウス」に出演していた女子プロレスラー、木村花さん(22)が死亡したことについて、高市早苗総務相は26日の記者会見で「匿名で他人を誹謗(ひぼう)中傷する行為は人として卑劣で許しがたい」と述べた上で、発信者の特定を容易にするための制度改正を「スピード感を持って行う」と語った。
引用元:産経オンライン
放送を管轄する総務大臣から、発信がされたという事でネット上ではかなり話題になっています。
また、午後には異例のスピードでこちらの声明も発表されました。
ソーシャルメディア利用環境整備機構という新設の団体です。
声明では、表現の自由や通信の秘密を最大限尊重しつつ、SNSを通じたひぼう中傷などを防ぐさらなる対策を検討するため、特別委員会を設置するとしています。
引用元:NHKニュース
そのうえで、他人への嫌がらせや個人に対する名誉毀損といった禁止事項を利用規約などに記載するだけでなく、啓発活動を実施していくとしています。
声明の全文はコチラ。
この団体については情報が少ないのですが、ツイッター、LINE、フェイスブックなどが共同で設立した事が書かれています。
ネット規制だけなのか? メリットデメリットは?
個人的な見解を述べていきたいと思います。
まず、注目点はネット規制に関してしか取り上げられていない事です。
機構側の声明では当たり前ですが、総務省側の見解を報道や番組作りに対しても出してほしいというのが本音。
さて、話をネット規制に戻して目に留まったツイートをご紹介します。
武井壮さんのものです。
誰がなんと言おうと、SNSで特定の個人に向けて直接『死ね』『消えろ』のような言葉を飛ばす事は反対です。自分のアカウントでただ叫ぶのはまだ許される、エゴサしなければいいし、陰口の範囲内、けれど直接リプでそれを送る事は規制が必要だと思う。目の前で声で伝えるより心を蝕む事実があるんだから
— 武井壮 (@sosotakei) May 25, 2020
心からそう思います。
口汚い人たちの言葉は、無くなってしまえばいいと。
また、下記の様に思っていることもありますので、そちらも記載していきます。
メリット 抑止力
SNSの規制に関してのメリットはその抑止力にあります。
誹謗中傷にあたるかもしれない、というだけで罰せられる危険性があるのであれば、こういった行為をする人が減るという事です。
普段から過激な言動を言ってらっしゃる方達は「言論統制だ!」「こんなことを許してはならない!」と問題をすり替えています。
あなたたちのような人が居るから法整備にまで発展するのでは?
口汚く罵るだけが得意なこういう人達も、一時的には見なくなってもいいかもしれませんね。
人間の酷い部分を全く見なくていいというわけではないですが、昨今のSNSには悪意が溢れすぎているように感じます。
デメリット ディストピア
こういった法整備のデメリットはディストピアへの加速です。
つまり言論統制。
まだ整備範囲があいまいですが、厳粛にやりすぎると即刻アウト。
曖昧にやりすぎると、司法判断によりケリのグレーゾーンの広い法律となります。
ちなみにこの件、なぜか政治家の方々はノリノリです。
ご自身もウンザリしているのでしょうが、冠し社会にしたほうが言論統制しやすいという事がある程度見解一致しているのでしょう。
ただ、思う事はありますよ。
法律は過去にさかのぼっては捌けないけど、過去に過激発言していた政治家さん、あなたのタトゥーは消えないからね?
また、司法の暴走とは言いませんが、過剰に取り締まりが行われる様になると単純に何も発信できなくなりますよね。
これこそ、政治側の思惑もあるのでしょうが。
タッグを組んで国民監視社会へ進むと、完全なディストピアですね。
そしてこれを盾に普段過激な人達が何故か更に暴走していますよね。
普段から「○○しね」「○○はゴキブリの様だ」などと揶揄している人たちが「私のは批評、逆に私に個人攻撃をするなら訴えますよ?」
等と言っているのは、恐ろしいほどの寒気を覚えます。
いやいや「あなたたちでしょ、先に訴えられるのは」と。
いつの時代も得をするのは暴走する方なんですよ。
おとなしく生活している人には、いきなり飛び込んでくる災害ですからね。
放送波の規制は?
今回の速報では、テレビ局各社への規制は執り行われていません。
問題基となった番組もまだ炎上してはいますが声明らしい声明は、これを書いている時点ではまともに出ていないかなと。
正気かどうか疑いますよね。
こういった番組自体の問題に加えて、そもそも日常から偏向報道を垂れ流している各種番組。
連日常識外れの報道、嘘の報道をして指摘されると逆切れしている上級コメンテーターみたいな方も居るのに。
何故放送の方は規制されないのでしょうか?
悪魔のような所業の両方に制裁を、と個人的には思います。
Twitterの反応
Twitterの反応をまずは賛成意見から。
SNSの発信者の特定とかしやすくなることについては私はおおむね賛成だしいいことだとは思う。けど今回の事で思うのは『現実』と『虚構』の区別をしっかりつけることを教育しなきゃじゃないかな、って思った。作品に噛みついて表現を規制するんじゃなくて、正しい認識が求められると思うんだ…。
SNSの誹謗中傷法規制、理念自体には賛成だけど 現政権なら間違いなくSNSの言論規制にすり替えてくるよ 検察庁法で痛い目見たからね このカシオミニを賭けてもいい
規制は賛成だけど言論弾圧では…
次に否定意見。
SNS投稿に対する誹謗中傷が問題視されてるが、全く以って論点がおかしいと思う。 誹謗中傷されるのが嫌ならSNSをやめれば良い。 アカウントを削除すれば良い。 ただそれだけだ。 ネットにおける情報発信の規制は全体主義の入口になり得る。 それが分からない奴はアホとしか言いようがない。
えー規制するんか そもそも嫌いな奴とSNSするなよ 有名人とか一方的に送られてくるのは別として、一般人は嫌な奴とつるんでる奴がパカだろ
中立的な意見やそもそもの疑問。
SNSでの誹謗中傷に対しての政治側からの対策は難しいところがあるなあ。 刑罰法規による規制は論外としても、発信者情報開示請求の手続き改正は民間だけでなく政治家も告発がやりやすくなるから諸刃の剣。かといって現状放置はもう許されない状況だからやらないわけにもいかない。難儀なこっちゃ。
SNSの規制が厳しくなりストレス発散出来なくなったら、また別の場所で発散し始め、別の場所で被害者が出そうだから、どちらかというと、さっさと取っ捕まえ、罰というより治療されて欲しいと思ってしまう(SNS上の方がDVやいじめより証拠掴みやすいし)。人を攻撃しないといられない原因は何なんだろう?
個人的にちょっと的外れだと思ったやつ。
『政治家を馬鹿にするツイートの違和感』とのことですが『個人への誹謗中傷』と『政治家への批判』は、全く別ですよね。脅迫とか人格否定はダメですが、政治家が馬鹿なことをやったら、批判がてら、馬鹿にしたら良いと思いますけどね〜。
あ、こういう人がいじめとかやるんだろうな……。
人格否定がダメと言ってる人たちが、次の発信で人格否定するからこうなるんですよ。
ネットが発達する中で求められる物
ネットワークが発達して、発信が容易になったのに対して発言が雑な人が増えました。
歯に衣着せぬ物言いではなく、単純なイチャモンや口が悪いだけの人たちです。
こういったのを規制するのは大賛成。
しかし、規制を盾に今までより狡猾に振舞い、人々を陥れる人たち。
また、監視社会化するのには大いに疑問が残ります。
死を皮切りに代わっていく情勢の中でも、波にのまれずにしっかりと物事を考えていきたいです。
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