会話をスムーズに持っていく為のイエス・バット法は『相手の意見を一度肯定し話をスムーズに運ぶ』という会話のテクニックです。
相手の意見を変えたい、もしくは誘導したい時に真っ向から否定してしまっては、相手を傷つけたり激昂させてしまったり良い事が無いですよね?
今回はそういった、結論をスムーズに変更する為のイエス・バット法と派生方法のテクニックを解説していきます。
営業のトークスキルと言われがちですが、何も営業に限ったことではありません。
職場、家族観、その他の接客業など、何でも使い道はあります。
取り入れるだけなら簡単ですから、是非今日から実践してみてください。
よく険悪になる相手ともスムーズに会話ができる様になるかも。
イエス・バット法とは
イエス・バット法は主に営業で使われる会話術、トークスキル。
相手の意見を一度「YES」と受け止めた上で否定し、こちらの望んでいる結論に持っていく手法の一つで、この『イエス』を使う話法をまとめてクッション話法と呼びます。
イエス・バット法は具体的には下記のような感じです。
「はい、とても素晴らしい案ですね。しかし、この様な要素もプラスしてみてはいかがでしょうか?」
相手の要求等を一度飲み込んだ上で、結論を変更しているのが分かります。
この様に、「そうですね……しかし」といった内容を含むのがイエスバット法です。
なんとなく接客時に聞いたことがある。という事が多いのではないでしょうか。
ちょっと営業トークかまされてる感じはするわね
よく使われているし、自然に身についている人も居るからね
このイエスバット法に関しては、肯定と否定が入り混じる為まだ改善の余地がある、とするものがあります。
『BUT- しかし-』という言葉は想像以上に相手のストレスになっているという見解です。
そして、それを解決する為の話法も定義づけられています。
それが次に紹介する派生テクニックたちです。
イエス・バット法の派生
イエス・アンド法
イエス・アンド法は相手の意見に同調している様に見せる話法です。
「このお菓子は甘さが足りないのでは?」「この予定ではここが詰まってしまうのでは?」
などなど。
「そうですね、ですのでお茶は少し苦い物を用意いたしました。落差を感じてお菓子を甘く感じられます」
「はい、このままではお時間にししょうがでます。ですのでこの予定は冒頭の未出席とし、途中退席をしなければなりません」
という風に、相手があたかもそう考えていたかの様に返します。
相手のプライドを傷つけませんし、丸く収まりやすいのがこの話法のメリットです。
イエス・イフ法
イエス・イフ法は相手の意見を肯定後に、追加提案をする手法です。
「そうですね、しかしこういう条件をプラスしてはどうでしょう?」
といった感じの提案です。
相手から何かしらの指摘を受けた時に使うシチュエーションがやってきます。
この様に基本的に提案をプラスして取り繕う手法の為、主体性が無く外したときのダメージもあります。
使うとしたら、こちらの立場が何となく弱い時になります。
イエス・ハウ法
イエスハウ法は肯定後に、相手の意見を促す方法です。
相手の意見を肯定するのは今回紹介している全ての話法に共通していますが、相手に直接意見を求めるというのはこれだけです。
こちらが会話をコントロールしつつも、あいてに意見を出させることでその後の話が有利になります。
何故なら『相手方主導で決めた事』だからです。
この話法は基本的に相手に否定された時に使うもの。
例えば、「もう少し安くならないか?」「もう少しピンとくるデザインにできないか」など。
それに対して「はいおっしゃる通りです、ではどのように改善していくかご希望を頂いてもよろしいでしょうか」
とします。
こうすることで、相手に責任を取らせつつ逃がさない道筋を立てます。
ただし、イエス・ハウ法の注意点としては営業が来ているのにコントロールを相手方に委ねている印象を与える点が懸念として考えられます。
強引に場を仕切って欲しいタイプの顧客、丸投げして欲しいタイプの顧客にはマッチしていません。
この話法を万能の様に力説する方も居ますが、結局どれも一長一短ですね。
その他の派生話術
イエスを数回重ねて話を進めて、必要な所だけバットを使う手法。
相手の意見を否定してこちらの意見を言う方法を『ノー・バット法』という手法。
など、更なる派生も存在します。
ノー・バット法の例文としては「難しいですね。しかしこのような範囲でしたら対応可能ですがいかがでしょうか』といった感じ。
お察しの通り、使い道はあまりありません。
イエスを重ねるのは相手を気持ちよくさせますが、疑い深い人には、看破されてしまいますので、相手の目戦を見ながら考えて進めてみましょう。
クッション話法の重要性
今回紹介した話法、少し意識すれば日常のどのシーンでも簡単に取り入れることができます。
なんか人を怒らせがちだなと言う人は、取り入れてみてはいかがでしょうか。
はい、復習できましたか?
扱いやすい物、職業に合ったものがそれぞれあると思いますのであなたに合った話法から取り入れて、会話に定着させていきましょう。
人間は印象で良し悪しを選ぶことの多い生き物です。
その事実をしっかりとらえ、把握しておきましょう。
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