エピソード記憶とは 記憶力を上げる方法と応用について考える

仕事術・自己研鑽

あなたには恥をかいた記憶だけ鮮明に残っていたり、または恨みの記憶が鮮明に残っていたり。
そういった記憶が極度に鮮明になっている個所はありますか?

この現象の根幹は、【エピソード記憶】と呼ばれるもので、あなたが体験した事を通して、頭に強く植え付けられた記憶達です。
今回は、そんなエピソード記憶についてのお話です。

このエピソード記憶は、特に記憶術として紹介されることが多くあります。
何故なら、中長期的な記憶の保持方法として非常に適しているからです。

というわけで、今回のエピソード記憶のお話は、中長期的な記憶の残し方。
古い言い方だと、脳のシワへの刻み方について解説していきます。

スポンサーリンク

エピソード記憶を使いこなして記憶力UP!

エピソード記憶とは

エピソード記憶は、いわば思い出の事です。
いい思い出も、悪い思い出も印象が強ければ、強く記憶に焼き付いている物ですよね。
それらがエピソード記憶となります。

大学の合格発表とか、始めてお酒を飲んだ時とか、長く付き合った恋人と別れた時など、人によって様々なものがあります。
このエピソード記憶が太く長く保存できる人は、一般的に記憶力が高いと見なされます。

私自身は元来この辺が弱くて、再開した時に
『見たことはあるんだけど何の人だったっけ…?』
という事が良くあります。

これは非常に勿体ない状態で、自分の普通は関連付けで覚えやすい情報のはずなのに、覚えられずそのままにしている。
脳みそを一時的に遊ばせている様なものです。
まだ記憶力として鍛えられる領域があるのに、ほったらかしにしている状況なんです!

エピソード記憶では他人と自分への干渉や、心の惹きつけ方、ちょっとした場所や印象の違いで記憶定着への違いが出てきます。
ともあれ、長期記憶術としてコントロールできる様になると、絶大な力を発揮できるようになります。

エピソード記憶の例

エピソード記憶の例を掘り下げていくと、どうなるでしょうか?

想像してみて下さい、今あなたは生徒時代の夏休みを過ごしていて、部活の為に学校に来ています。

上記の例文で鮮明の思い出せたものが1つでもあったとしたら、それはエピソード記憶となります。
例では特に年齢は指定していませんが、季節とシチュエーションのみ指定しているので、それに関連するあなたの記憶が呼び起こされる様に書いています。

小学校でも、中学でも、高校でも、どの時代でもいいのでハッキリした物が思い出せましたか?
その情報って頭の中に【定着】していますよね。
それが貴方のエピソード記憶そのものなんです。

記憶の定着と保存について

この強い記憶の定着については、感情に起因するとされています。
喜怒哀楽の感情に対して強く作用したエピソードが脳に長く定着するのです。

私見に合格した、嬉しい
・あいつに嫌味を言われた、怒りがこみ上げる
・恋人と別れた、悲しい
・バカンスに来た、楽しい


プラス要素であれば充実したエピソードとして
マイナス要素であればトラウマとして
長く本人の中に残っていく事があります。

定着の強さだけで言うなら、トラウマの方が強いかもしれないですね。
恐怖や悲しさと言った感情は、一瞬で人間の脳を支配して、体調を支配するまでも秒で行ってしまうほどの影響力があるからです。

逆に、恩師の言葉などで忘れられない物もエピソード記憶に入ります。
あなたの人生を作ってくれた言葉、考え方など。大切にしている思い出、どれくらいありますか?

学習への応用

一般的に記憶力、暗記力は成長するにしたがって下がっていくとされています。
社会人になって数年経ってくると、何となく「衰えたなと」感じ、そういう状態に徐々になっていっている事を理解してくると思います。

しかし、エピソード記憶に関係する機能は、刺激ですのでそれ自体は大人になってもまだ発掘、改善、開発の余地が残されているのです。

下記に、勉強中にエピソード記憶が強化される例をいくつか出しますので、実際の習得に役立ててください。

今回の肝 学習のシチュエーションを毎回変える

エピソード記憶として留められるという事は、強い刺激があったという事です。
前述した喜怒哀楽でも刺激であったので、毎回学習に関して更に別の刺激を与えていけば
「あ、あの時覚えた内容だ」
と感じ取れるようになります。

具体的に私が実践して効果があったものは、下記となります

・図書館へ移動する(場所)
・暗唱してみる(声を通す)、それを誰かに聞かれる(辱め)
・毎回飲み物とお菓子かしを変える(補助物品の変更)
・聞き手と逆で記述してみる(いつもと違う方法)

・一緒に勉強する人間を設け、毎回入れ替える(人に話す)

特に最後が重要です。
人に話すという行為は、ラバーダッキングの回でも説明した通り、自分の記憶を定着させるのにとても効果が高いからです。
これは口から出す時に情報を整理しないと喋ることができないから、整理された情報として脳に定着する為です。

加えて誰に話したか、どんな風に教えたかというエピソードも脳に残る為、二重の意味で記憶しやすい学習方法となっています。

一緒に学習を実行した人物と、その時限りの面白いエピソードが存在すると印象として強く定着します。

例えば、今学習している答えや理論、理由の解釈について熱く議論などすると、「そういえばこの時あいつはああ言ってたな」などと思い出す事ができます。

エピソード記憶に近い方法

ジャンルによるエピソード記憶の定着は、覚える対象を物語化をして考えると覚えやすいです。
こちらは連鎖的な要素を盛り込んだ記憶定着方法となります。

例えば、Aという武将がB国に攻め入る、結果勝ちを拾い、領地が統合されてA武将の支配領域が広がる。
といった具合に、歴史はその流れが順々に紐づいているので比較的展開しやすいです。

純粋なエピソード記憶とは言えませんが、物語として読む場合は定着率が上がっていくので、地理の都市名をひたすら暗記しろ、などの課題よりも関連付けがある為記憶しやすくなります。

漫画で学習するのも、擬似的な追体験学習とする事ができるので、エピソード記憶に近い覚え方をすることができます。
抵抗がなければ積極的に活用していくと良いでしょう。

こうした段階的な記憶の方法は、純粋なエピソード記憶ではないですが、覚えておくと応用幅が広がります。

はむらいと
はむらいと

記憶の定着方法に関しては自分で発見をして自分の覚えやすいスポットを貯め込んでいくと、学習ががぜん有利になりますので、積極的に考えてみて下さいね。

コメント