機会費用とは? 見えないコストとの向き合い方と捉える方法

仕事術・自己研鑽

【機会費用】という言葉があります。

自分が金額を含めた中で正しい選択をしているか?

という事について、経営者や個人事業主、あるいはプロジェクトリーダーの人たちは常に考えていると思いますが、この言葉はこれを推定する為のものです。

今回は機会費用という言葉の意味について解説していきます。

コストの概念について
>> サンクコストバイアスとは もったいなくてやめられないの理由

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機会費用とは

お金

機会費用とは行動1つに付随する結果、それに対する最大と最小の利幅の差の事です。

少しわかりにくいのでまず下記を確認してください。

得られたであろう最大の利益
-最大の利益を選ばなかった場合の利益
=機会費用

例えば1つの目的に対して、AというアプローチとBというアプローチがあるとします。

Aは目標を100%達成できるのに対し、Bは60%程度しか達成できませんでした。

この時、その差が40%となるわけです。

この差の部分を指して機会費用といいます。

目標の部分を簡単に言うと粗利ですね。

Aは1万円の粗利を生み出し、Bでは6000円であったという風に考えると解り易いでしょう。

Bのアプローチを選んでしまった場合Aと比べて4000円の差額が発生しており、この4000円が機会費用となります。

経営者支店の場合、最大収益を得るように努力することは至極当然で、短期的に見るならBのアプローチを選択する意味はありません。

ただし『AとBで明確な違いが出る、こういったコスト差が出るからAを選択した』と意識することは重要です。

そこには理由が必ずあるので、それらを他の選択肢でも生かして常に利益を増していく為です。

また、外的要因によって『損して得取れ』の状態となった場合には、Aを選択するのが必ずしも正しいとは言えません。

機会費用を論じる場合は、決まった期間やルールに話を集中する必要があります。

そもそも差額を出すには最大の利益幅の正確な産出が必要ですから、ここが狂っていると正確なコストが出ませんよね。

正確な試算があり、今回Bを選んで金額面では4000円を損しているが、他に得られたものがあったか?

といった思考が焦点となります。

もう一度書きますと、『金額的な損失が生まれていても、将来的に価値が生まれているか』が重要です。

機会損失との違い

旅する男

似たような言葉に【機会損失】というのがありますね。

機会費用と機会損失は言葉は似ていますが意味は違います。

機会費用とは、行動した結果に生まれた差額

機会損失とは、行動しなかった際に得ることができなかった利益。

どちらも状況的には、数字で見えるマイナスを指していますが、性質が違います。

また、こう書いてしまうと機会費用が悪い物の様に見えてしまいますが、実態は違います。

あくまで差額を見る為の物です。

機会費用が悪い物の例でない物、また公平な味方をする上での例に次の項目で触れていきます。

相互に利益をもたらすことの重要性
>> 相互を豊かにしていく在るべき『仕事』『ビジネス』の考え方 【餓鬼とは】

機会費用の例

前段で、実際に4000円損しているが他に得られるものがあったのか?という話を出しましたが、部下に仕事を任せると例えると非常にわかりやすいです。

生産力が試算できている仕事を部下に任せる。という行動を主軸に考えて下さい。

選択肢を二つに絞ります。

  1. 現職(自分)がいつも通り行う
  2. 部下に任せてみる

この時自分がやれば同じ時間で100万円の利益が出ると仮定しましょう。

しかし、部下がやると75万円しか利益がでませんでした。

この場合の機会費用は25万円です。

では25万円とひきかえに得られたものはなんでしょうか

はい、部下の成長の機会ですよね。

ここに、この時将来の25万円以上の価値があったかが重要という事です。

その他以下の様な事が日常では考えられます。

  • 安いプレゼントより高いプレゼントにして、好感度が上がった。
  • 最大利益を追わずに、仕入れ数を抑えて安全を優先した。

また、時は金なりという言葉にあります通り、自分を時間換算して価値を計る場合もあります。

例えば普段時給5000円相当の仕事をこなしている人が、副業を初めて時給1000円相当では、1時間ごとに4000円の機会費用が発生している様なものですよね。

本業と同じ取り組みをして同じ様な時給を得るか、副業を学習機会として機会費用を受け入れるか。

どちらが自身の将来にとって有効かということを考える機会になります。

経済学上の費用 会計上の費用

理解

経済学上の費用と会計上の費用という言葉かあります。

これは機会費用を論ずる上で頻出する用語です。

先程までの話に当てはめてみましょう。下記の様になります。

得られたであろう最大の利益最大の利益を選ばなかった場合の利益機会費用
これを各々用語に当てはめると
経済学上の費用会計上の費用機会費用
となります。

経済学上の費用

これは先ほどの計算に用いた『最大の利益』に相当する言葉です。

これを『経済学上の合理的な費用』という言葉で表します。

勿論計算を正しく評価する上で、正確な試算を基に算出することが前提となります。

会計上の費用

会計上の費用は、実際に会計として上がってきた金額を指します。つまり、実態を伴う数字です。

経済学上の費用は最大の利益という試算でしたが、会計上の費用は『実際の利益』と取ることができます。

機会費用は何故重要か

偉い人

機会費用で比べられるのは、将来のモノとのバランスです。

今現金を取るのか、学習を取るのかという事が非常にわかりやすいです。

大学進学と就職の二者択一などはその典型ですよね。

人生ではこうした大きな選択肢から、日常の細かい選択肢まで多くの機会があります。

費用と学習を天秤にかけ、ベストな選択をしていって下さいね。

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