流行を追うのってどこか気持ち悪くありませんか?
街中で同じ服を見ると嫌な気分になりませんか?
はい、それは今回紹介するスノッブ効果という心理学的行動の一部です。
人間は多数派の支持が集まるものに対して、個人の依存性やファン度が下がることが言われているのです。
こうした行動の1つ1つが、実は人間は合理性の判断とは程遠い所で物を考えているのだという事を如実に表しています。
今回はそんなスノッブ効果について、解説していきます。
皆が思っているほど理性的な生き物じゃないのよね
知ってた
これらの非合理的な本能を活かしたマーケティング戦力もあるので、マイノリティな方の心をくすぐる為にも是非読んでみて下さいね。
スノッブ効果とは
スノッブ効果とはある事柄に対して支持や需要が増大していくほど、個人の中の支持は減少していく効果です。
私は私の道を行く!
ってこと。
アメリカの理論経済学者ハーヴェイ・ライベンシュタインによって提唱されました。
支持が集まるほど、更に支持者が増えていくバンドワゴン効果の対極に位置する効果ですね。
これは希少性やマイノリティといった、少ない側面にこそ価値を見出そうとする心理行動です。
流行りは追いたくないとか、ちょっとニッチジャンルに魅力を感じるわけですね。
入社試験で濃い感じの社員を採ってしまったり、季節限定の妙なフレーバーのお菓子を食べたり。
インディーズの頃は応援していたバンドがメジャーになると、一気に覚めるような……。
そんな全体の支持とはズレた『他と違う』行動を取ります。
マイナーな方が独占欲が満たされたりするのよね
『古参』のステータスを皆が欲しがるのはその為かも。
スノッブ効果は『他人と差別化したい』という欲求の表れです。
レアなものほど価値が増します。
季節限定物。
年代限定物。
そういった商品がわんさかありますよね。
ああいったものは、スノッブ効果が渦巻く環境でこそ需要があるのです。
青眼の白龍≪ブルーアイズ・ホワイトドラゴン≫
は社長が4枚目を破り捨てたから世界に3枚しかないのよ
そういう事よ
効果は無いのに神聖化されるからね
(GXの背景で一般のカードケースに並んでいた件は除外する)
余談
ちなみに間違えられやすいですが、スノッブ効果の最後は『BU』です。
スノップ『PU』ではありません。
濁点半濁点は特に見づらいので、間違えて覚えないようにしましょう。
マーケティングとしてのスノッブ効果
マーケティングとしてのスノッブ効果の利用は、希少性への誘導です。
希少価値を付与することによって、その商品に価値を求める顧客を獲得しやすくなります。
- 『組み合わせは○○通り!』という宣伝文句による本人だけの商品という打ち出し
- 季節などの時間に限定された商品
- どこどこ限定という土地に限定された商品
- ○○サイン入り!という希少性とタレント価値を高めた商品
とにかく『あなたがこれから手に入れるものは、他とは違う』という処を強く打ち出していきます。
これらをキッチリ差別化していく事によって、スノッブ効果の中にいる顧客たちを満足させることができる様になります。
ある意味情報商材の、お買い上げの方をサロンにご招待などはこれに近いですね。
後述するスノッブ効果とヴェブレン財の構造を上手く組み合わせています。
希少性を上げ、さらに単価を上げることで価値のあるものに見せるという手法です。
ちなみに私は、高額情報商材は完全否定派です。
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消費しない行動の掘り下げ
消費行動の心理的側面の1つとして『消費の外部性』が存在します。
これは購入条件の大きなウェイト部分に他人の目を気にするという条件が入ってしまうもの。
例えば自分が本当に欲しいと思った物でも、街中でもたまたま流行が始まっていてなんだか流行を追っているようで購入に踏み切れなくなる。
そういった状況です。
自分が欲しいのですから、消費行動としては買いに行くのが1つの結論です。
しかし、外部的な刺激(他人の目)により、その行動を抑制されているわけです。
逆に、この様な行動を取っている人たちは、先ほどまでに紹介した『限定品』に酷く惹かれる傾向があります。
これらを理解したものがスノッブ効果を利用したマーケティングというわけです。
ライベンシュタインが提唱した論文では今回紹介するスノッブ効果の他に、2つの効果も同時に述べられているのでリンクを貼っておきます。
バンドワゴン効果は支持者が多いほど売れる。
ヴェブレン財は高い物ほど売れる。という事を指しています。
強者は常に強者になる!?
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3つを組み合わせる
スノッブ効果+バンドワゴン効果+ヴェブレン財を組み合わせると売り上げの高い商品を作ることができます。
具体的には『限定品である』『大衆に人気がある』『供給時に高騰している』です。
大衆に人気があるが、限定品という状況は簡単に作り出せます。
ファンクラブ限定であるとか、人気のお菓子の季節限定品であるとか。
供給時に高騰しているというのは相場だけの話ではありません、単純に単価を上げておけばいいのです。
プレミアム○○とつく食品を見たことがありませんか?
アレらは実際に元となるノーマルの商品よりも、高価格帯に設定されていますよね。
原価を少しだけ上げて、値段は少しよりも多くあげて、あとは売り出し時期を限定するだけです。
初夏限定○○プレミアムフレーバーなんていかにも売れますよね。
土台となる商品の強さが必要ですが…。
だからメーカー各社は毎年限定の新作を出すのです。
ライベンシュタインの提唱する心理学3つを同時に使えるから。
物の売り方ってやっぱり印象だからね、良いだけじゃな売れないのよね
ブームを作るにもその前の準備も
下支えとなる行動の整理が必要だね
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