ブレイクのメリット
では基本的な注意点を書いたところで相手個体をブレイクした事によっておこるメリットとデメリットを考えていきたいと思います。
ミラーの同発対決に勝てるようになる
ブレイク個体は攻撃力を上げるという事が前提ですから、当然技発動が同時になるミラー対決に勝ちやすくなります。
結構なシチュエーションでは技2発動での決着が多く、特にミラー対面では発動優先が取れる高攻撃力の方が有利になるからです。
スーパーリーグで言うとマリルリミラーの様なやつですね。
決着が早くなる
決着が早くなることで、こちら技2発動を温存できたり、相手からの技発動をさせなかったりというメリットが存在します。
これがあるとシールド1枚分の差を作る事が容易になり、それだけでゲームを有利に運ぶことができます。
HPを多く残せる
これもブレイクのメリットの一つで、ブレイク対象ポケモンに対しては通常よりHPを多く残せることが多いです。
当然決着が早くなっているから起きる現象ですがが多く残る事で後続に技2を打てたりするので、ポケモンによってはそのままシールド1枚分のメリットになる可能性も秘めています。
ブレイクのわかりやすい魅力というのはこの辺りで、本来発生しなかったでかめのリターンが目に見えて出てくるというのがあります。
最後の削り合いで勝てる
こちらも『決着が早くなる』の派生ですが、最後の削り合いで勝てる可能性が出てきます。
要するに通常の対面同士ではブレイクしてなくて相打ちになるシチュエーションも、ブレイクをしていれば一歩先に決着がつき勝ちになる。
といったイメージですね。
似たようなシチュエーションはいくらでもあり、HPギリギリで貯め引きをして奇襲してきたポケモンをダメージ写し一発で落して不発にしたり。
普段ならできない事がいくらかできる様になります。
ブレイクのデメリット
メリット自体がそのままデメリットに繋がる事もあります。
「え?どういうこと?」という疑問が湧く方もいるかも知れませんが、悪い面も考えていきましょう。
耐久力が下がる
ブレイク個体を使う=意図的に耐久を下げる。
に他なりませんので、当然耐久力が下がります。
耐久力が下がると不利な対面というのは当然増えていきます。
たとえばHPミリ残しで勝てた対面が、勝てなくなって相手のゲージも貯まっている状態の物ができてしまったり。
というようなことも起こり得ます。
考えるべきは、耐久力を下げた不利のシチュエーションと、ブレイクをした際に有利になるシチュエーション差し引きどちらの方が遭遇率が高いかという事です。
私は環境の平均出現を見ながら「こっちのシチュエーションの方が多そうだからSCP1位より今回はブレイクの方が推奨できるな」や。
「そもそも耐久力下げても変わる対面が極端に少ないな」などを基準にオススメを紹介しています。
ミラー対面の耐久力差で負けることがある
これは『耐久力が下がる』の派生であり、かつ技2で決着がつくタイプではないポケモン同士の場合に適用されます。
例えば下記の例。
これはハイパーリーグの対面なのですが、お互いに『初手からシールド使いたくないなぁ』と考えていると、こんな感じの対面になります。
つまり、最後の決着がつるのムチによって決まるのでSCPの高い個体=この場合HPの高い個体が勝っているわけです。
ちなみにシールド1枚同士だと立場が逆転します。
シールドを1枚以上貼り合うと、こういったHP状況になる為結局攻撃力が高い方が先制し、技2のダメージによって決着がつきます。
当然ですが、お互いにHPが少し削れておりチャージ量が互角の場合も技を先に打った方が勝つので後者のシチュエーションに近くなります。
では「自分のフシギバナは個体値悪いから、ミラー対面ではシールドを貼ろう」が正しいかというとそれもそうではないのです。
相手の個体が1位近くではないかも知れないし、自分の個体より攻撃力が高いかもしれないとなれば、安易にシールドを貼るとむしろ不利になります。
先にシールドを貼ったことによって別のポケモンに即引きされて場を乱される可能性も残っています。
CPから相手の順位を推測することは、デンチュラやファイアローなど決まった個体でないと困難ですので現実的ではないですし、結局は『運ゲー』の域を出ません。
ただ、とはいえ運要素を1パターンでも少なくするためにこういう記事を書いているのですが。
余談ですがこういうミラー対決の場合は様子見で同発を狙っていき、最初に貼らないパターンが多いです。
が、それをガラルマッギョ同士でやると地震を通されてしまい、特にスーパーリーグでは致命傷になりかねません。
難しいですね。
チャージができない
これは『決着が早い』の対になるデメリットです。
決着ターン数が早いのでメリットは先に記述した通りですが「こちらの攻撃力が低ければ1回分多くチャージできたかも」というシチュエーションは当然出てきます。
ただ、これに関してはチャージできないデメリットより、早く決着する・技を打たずに済んだなどのメリット部分の方が強いので、シチュエーションによってはデメリットになるがマジョリティでは気にする必要はない。といった感じです。
攻撃力が上がった時には必ずついて回る現象ですので、どの位で相手を落とせるか?というのは体感で刷り込んでいくと良いでしょう。
これと似たような状況に関しては「オクタンほうのデバフを食らって、通常より多くチャージできたから勝てた」というものがあります。
多くの場面では有利に働くけど、ケースによっては効果が邪魔をしたというのがこれほどわかりやすい物も珍しいでしょう。オクタン砲……。
残ったHPを起点にされてしまう
これは『HPを多く残せる』の対となるデメリットですが、有利にした所為で多く残ったHPを逆に起点にされてしまい負けがついてしまうというパターンです。
後続で出てきた苦手な相手ポケモンに、余分にハメられてしまうイメージですね。
エンペルトがラプラスを突破した後、どれだけHPが残っていてドクロッグに起点にされたか。
みたいな話です。
ただこれって結局『HPが多い』への対のデメリットなだけであって「HPが多く残って負けた」よりも「HPが多く残せたから勝てた」の方が多いはずなんです。
「マリルリをムキムキにしてみたら本当に強かった、最後のれいとうビームがギリギリ間に合った」と言われる様にHPを多く残せるなら残した方が良いシチュエーションが多いと思われます。
起点にされてしまうのが怖ければ、自分で止まってギリギリまで削られればいいんです。
下位のブレイク個体はコストが高い
これはシチュエーションによっては全てのブレイク個体に言えることですが、特に下位のブレイク個体は育成コストが跳ね上がります。
どういうことか、ニョロトノの育成シチュエーションを例に見てみます。
SCP順位・特徴 | 攻撃 | 防御 | HP | Lv. | XL必要数 |
1位 【0・15・14】 | 144.91 | 161.56 | 184 | 48.5 | 236 |
ブレイク 【5・15・15】 | 146.83 | 159.14 | 182 | 46.0 | 148 |
ブレイク下位 【1・10・9】 | 147.05 | 158.82 | 181 | 50.0 | 296 |
旧1位 【15・15・15or14】 | 150.78 | 154.77 | 177 | 41.5 | 30 |
ブレイク個体の上位となる【5・15・15】は1位の攻撃力をそのまま上げて耐久力を少し下げたような感じなので、育成完了が早くコストが下がります。
しかし、ブレイクを再現しようとした下位のブレイクでは、完全に【5・15・15】の劣化っぽくなり、必要コストはMAXまで上がってしまうのです。
こういうのは流石に使用を推奨できませんといった感じですね。
同様に『1位の完全下位互換』というのも一定数存在します。
これは、個体に拘るならお勧めできません。
シャドウは完全に別個体
シャドウは『計算式がダメージの反映に対して』みたいな感じなので、全く別の個体になります。
ノーマルで強い変則個体だからと言って、シャドウにしても強いかどうかは話が違います。
一番ヤバいのは、シャドウのダメージ補正の分ダメージが伸びていないのに受けるダメージだけ増えているような状況です。
LV.40のポリゴンZなどはその典型で、マスタークラシックでロックオンは大体2ダメージになるのですが、シャドウになっても2ダメージのままなのです。
なのに受けるダメージは増える可能性が非常に高いというので、ことポリゴンZのマスタークラシック個体に関してはノーマルの方が圧倒的に強いのです。
結局『計算結果がどうか?』という話なので、別の計算を挟まれてしまう時点でダメージ計算上は全く別のポケモンと見なして個体値厳選をする必要が出てくるのです。
個体値厳選の基本概念の総括
有名なYoutuberの言葉を借りるなら。
「みなさん、いつも言っています。投資(ほしのすなとXLの飴)は自己責任で行ってください」
自分で判断して下さい。
『誰かが良いと言ったから』というのは幻想にすぎません。
同様に計算上一番上に来るから一桁が一番強い。というのも幻想です。
HP問題を何度も取り上げますが、HPが低い方が強いシチュエーションが多ければ下位の方が強いのです。
自分の癖、組ませる他2匹との相性補完。
対戦環境の流行によって有利不利はガラリと変わります。
あくまで『こういうパターンなら強いよ』や「恐らくこちらのシチュエーションが多いからこっちがオススメ」を考えているのがブレイクや個別対面。そして、シャドウの有利不利なのです。
毎回の個体値厳選の最後のおすすめもそういった理由を付けて紹介をしています。
下位にほぼ同じものが居るかも知れませんし、コストを度外視したらそれも全く同じになるかもしれません。
ただ、記事中は答えを出すべきなので、推奨を絞って提示しています。
その辺りを踏まえて、何度も言っていますが『目的に沿った個体』『手持ちで一番いい個体』を使ってみてください。
ちなみに私も『目的に沿わないので使ってないSCP1位』というのがいくつか居ますよ。
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