正常性バイアスとは なぜ危険なのかその意味とよくあるケースを紹介

心理学・人間関係

正常性バイアスという言葉を聞いたことがありますか?

簡単に言うと「こんな非日常的な事自分の周りでは起こる筈がない」

と思い込むことです。

例えば、交通事故。HIVの感染。天災による家屋の損失など。

確率的にはあり得そうだけど「自分は大丈夫だろう」というやつです。

今回はこの正常性バイアスと、ちかしい心理学について紹介します。

闇の人格
闇の人格

逆に宝くじにはいつか当たる
と思ってる人もいるわね

はむらいと
はむらいと

今回の物とは逆だけどそんな感じ

さて、日本語における○○バイアスとは『偏り』と訳されます。

つまり、この場合『正常であるという事に偏っている』ということです。

正常であることがどうしておかしいのでしょうか?

この正常性バイアスと災害というキーワードは切っても切れない関係です。

キーワードは『危機意識』です。

コロナウィルスが蔓延する2020年2月までは、日本国内ではこの正常性馬明日が働き、かなり事態を軽視している人が大勢いました。

遡って年始では「中国国内に限ったことだろう」という認識があったのです。

日常が壊されたという認識ができた場合『あの時正常性バイアスが如何にかかっていたか』を確かめる機会となるかも知れません。

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正常性バイアスとは

考える

正常性バイアスとは、心理学用語で認知バイアスの一種。自分にとって不都合な事実の情報の重要性や実際の発生率が小さく見えたり、関係ないと思ってしまう心理特性です。

簡単に言うと【大災害】【交通事故】【即日解雇】などと『自分は関係が無い』『自分にはこういう不幸は降りかからない』と思ってしまうことです。

こういった『非日常』のものに対しては、みんな危機意識が低く個々の『正常な日常』からかけ離れた事柄であるため、普段は意識を向けようとしません。

例えば国から発令されるような宣言の場合、多くの人が「何を今更……」という情報を首相が発信したりしますね。

これはまだ認知が甘い人に向けた危機意識の再開拓の作業になっていたりします。

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厨二病

さて、ここまで話すと「それならそんなバイアスがかかる機能っていらなくない?」と思うかもしれません。

確かに、危機的状況化では色々と不都合の多い脳の機能ですよね。

なぜこの様な危機感の欠如をもたらすものが発達しているのかというと、それはエネルギーの消耗に対する対処の為です。

例えば、震度2~3弱の地震があったとします。

日本は地震大国なので「これくらいの揺れならまぁ大丈夫だろう」というのを経験から知っている人が多いです。

しかし、この震度に対して毎回心臓が飛び上がるほど驚いているとどうでしょうか。

「とても気が休まらない、毎回死ねと言うのか」

となりますよね。

そうなんです。この緊張状態を人は長く続けることができず、緊張から解放された時に思考力は低下します。

こういったエネルギーや極度の緊張への緩和の為、正常性バイアスの様に【あえて反応しにくい】思考が発達していると推測されます。

種で効率的に、また集団行動意識を持って行動しようとした時に困らない様進化した結果がこの正常性バイアスかもしれませんね。

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集団同調性バイアス

集まって喋る写真

判断を狂わせるバイアスとして『集団同調性バイアス』という物もあります。

集団同調性バイアスとは周りの反応や行動に合わせる、同調するという心理効果で、こちらも災害時の心理状況を表す例えによく使われます。

例えば、火事や地震などの緊急事態の時に、パニックになる人とやたら落ち着いている人が居ますよね。

この割合が多い方に、行動が合ってしまうという事なのです。

例えば地震の時にビルの上階でパニックになる人が多く、我先にと非常階段に詰めかけるような行動を取り始めるとどうなるでしょうか?

同調して同じく非常階段に集団がつめかけます。

逆に、明らかに火事の煙なのに「そのうち収まるだろう」と誰も関心を示さなかったらどうなるでしょうか。

なんと、誰も動かないのです。理由は周りも行動していないから。

こういった状況で、判断をミスすると火の手が回るころには脱出不能になっているかもしれません。

この指摘がなされている事件が実際に韓国で2003年に発生しており、乗客が異常を感じつつも回避行動を取らなかったことが指摘されています。
>> 大邱地下鉄放火事件

集団同調性バイアスの怖いところは『周りがこういう行動を取っているから』に収まりやすい事です。

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天災・人災に備える

野生の脅威

途中書きましたが、バイアスは悪い物ではなくエネルギーの温存や集団生活においては非常に便利な物です。

日常的に敵を作りすぎず、余分なエネルギーを消費せずに行動をすることができます。

ただし、非常時に自分の行動が他人に委ねられてしまったり、自分との日常の差異を認められなかったり。

危機意識の欠如の為にケガをした、取り返しのつかない行動をしたという弊害が存在しますので、自分は状況に合わせた行動を取っているか?

という事を常に頭の中においてください。

【あなただけが特別】ということはありません。

死もケガも損失も突然降りかかってきます。

異常な行動を取ると恥をかくかもしれませんが、注意一秒怪我一生とも言います。

ご注意を。

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